当院における輸血副作用報告の現況について
【はじめに】患者の輸血副作用発生状況の把握は安全な輸血療法を行うために重要である. 従来, 輸血副作 用は重篤で血液センターに精査を依頼する場合にのみ報告される状況であり, 発熱, 蕁麻疹等の即時性で症状の軽い場合は現場で確認されても正確には把握されていなかったが, 平成16年より全血液製剤の副作用報告を義務づけ2年を経過した. 今回, 輸血副作用の発症状況調査を行ったので報告する. 【方法】出庫時に製剤に添付した適合票ラベルの裏面に担当者が輸血副作用の有無, 症状, 時間等をチェックし輸血検査に返却, 輸血管理システムに入力し統計を取った. 【結果】2年間で報告された副作用は283件, 全使...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】患者の輸血副作用発生状況の把握は安全な輸血療法を行うために重要である. 従来, 輸血副作 用は重篤で血液センターに精査を依頼する場合にのみ報告される状況であり, 発熱, 蕁麻疹等の即時性で症状の軽い場合は現場で確認されても正確には把握されていなかったが, 平成16年より全血液製剤の副作用報告を義務づけ2年を経過した. 今回, 輸血副作用の発症状況調査を行ったので報告する. 【方法】出庫時に製剤に添付した適合票ラベルの裏面に担当者が輸血副作用の有無, 症状, 時間等をチェックし輸血検査に返却, 輸血管理システムに入力し統計を取った. 【結果】2年間で報告された副作用は283件, 全使用製剤11470バッグの2.5%であった. 製剤別では赤血球製剤1.0%, 血小板製剤6.0%, 新鮮凍結血漿2.4%であった. 症状は蕁麻疹, 発熱が80%以上であったが, 血圧低下3.2%呼吸困難1.8%ショック0.7%などの重篤症例があり副作用の約5.7%を占めた. なお血小板製剤の使用による副作用はフィルター不要になってから減少傾向にある. 発症時間は輸血開始後10分6.7%, 60分以上50.0%あったが, 呼吸困難血圧低下は開始後30分以内66.7%, 輸血終了後33.3%であった. 【考察】全製剤の輸血副作用を報告化する事により, 頻度, 種類発現時間などが把握でき, 注意提起及び頻発者には予防処置も可能になったが, 重篤な副作用は減少していない. また軽度の発症も含むため高頻度になったと考えられ, 特に輸血終了後の割合が多いと思われた. 【まとめ】本システムの導入により輸血副作用の発生状況はほぼ100%把握されていると考えられる. 今後, 原因究明のために追跡調査をする必要があると思われる. |
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ISSN: | 1881-3011 |