温式自己免疫性溶血性貧血患者の整形外科手術時に施行された貯血式自己血輸血
「はじめに」自己免疫性溶血性貧血(autoimmune hemolytic anemia, AIHA)は, 赤血球膜上の抗原と反応する自己抗体が産生され, 抗原抗体反応の結果赤血球が障害を受け, 赤血球寿命が著しく短縮(溶血)し, 貧血をきたす疾患である. また直接抗グロブリン試験陽性患者への輸血は最小限にとどめるべきとされている. 今回我々は, 温式自己抗体によるAIHAに対して副腎皮質ステロイド薬にて治療中で, 血液学的寛解状態にある患者の待機的手術時に, 貯血式自己血輸血を実施したので, 経過を報告する. 症例 患者:68歳, 女性. 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:2004年10...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2006, Vol.52 (6), p.717-718 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」自己免疫性溶血性貧血(autoimmune hemolytic anemia, AIHA)は, 赤血球膜上の抗原と反応する自己抗体が産生され, 抗原抗体反応の結果赤血球が障害を受け, 赤血球寿命が著しく短縮(溶血)し, 貧血をきたす疾患である. また直接抗グロブリン試験陽性患者への輸血は最小限にとどめるべきとされている. 今回我々は, 温式自己抗体によるAIHAに対して副腎皮質ステロイド薬にて治療中で, 血液学的寛解状態にある患者の待機的手術時に, 貯血式自己血輸血を実施したので, 経過を報告する. 症例 患者:68歳, 女性. 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:2004年10月(67歳時), 貧血精査にて当院血液内科入院となる. 末梢血では, WBC4,200/μl, RBC2.14×106/μl, Hb7.3g/dl, Ht23.2%, MCV108.3μm3, MCH34.1pg, MCHC31.5%, Plt40.2×104/μlと大球性の貧血を認め, 網状赤血球は169%と上昇していた. 血液生化学ではLDH332U/リットル(119~229), 総ビリルビンT.B1.8mg/dl(直接ビリルビン0.4mg/dl)と高値で, ハプトグロビン(Hpt)は測定感度未満と低下していた. |
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ISSN: | 1881-3011 |