5. 生体肝移植術時のC/T比に対する輸血部の取り組みとその効果
【はじめに】生体肝移植時の血液製剤請求数は, 他の手術に比べて圧倒的に多く, C/T比が高くなっていることから, 学会等でも度々取り上げられている. 当院でも例外ではなく, 2002年度の本学会でもMSBOS設定を試みたが不可能であったという報告を行った. 今回はその後, 輸血部および移植外科との連携によりC/T比を低下させることが出来たので報告する. 【方法】2002年11月の輸血療法委員会にて, 移植外科医を含んで話し合い, 特に夜間帯の予期せぬ出血に対応するべく, (1)対応に慣れている輸血部職員が手術日の当直に入るか, 超過勤務にて待機するよう, 勤務シフトを組んだ. (2)また, 移...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 2006, Vol.52 (1), p.99-99 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【はじめに】生体肝移植時の血液製剤請求数は, 他の手術に比べて圧倒的に多く, C/T比が高くなっていることから, 学会等でも度々取り上げられている. 当院でも例外ではなく, 2002年度の本学会でもMSBOS設定を試みたが不可能であったという報告を行った. 今回はその後, 輸血部および移植外科との連携によりC/T比を低下させることが出来たので報告する. 【方法】2002年11月の輸血療法委員会にて, 移植外科医を含んで話し合い, 特に夜間帯の予期せぬ出血に対応するべく, (1)対応に慣れている輸血部職員が手術日の当直に入るか, 超過勤務にて待機するよう, 勤務シフトを組んだ. (2)また, 移植外科に限らず大量出血時の対応として“24時間以内に10単位以上の輸血が行われた場合, 交差試験は省略してよい”というより早い対応が出来るマニュアルを作成した. (3)さらに, 症例ごとに行われる移植外科主催の移植カンファレンスへ参加し, 患者個々の状態, 担当医の考えなどを知ることにより, 準備数ならびに院内在庫数などを調整した. 【結果】取り組みを行う前の1998年~2002年までの37症例は, MAP請求数(C):平均25.5±14.4単位, 使用数(T):平均7.3±9.2単位, C/T比:平均3.5であったが, 取り組み後の2003年~2005年9月の65症例ではMAP請求数(C):平均17.3±7.3単位, 使用数(T):平均9.9±13.2単位, C/T比:平均1.7であった. 【考察】臨床側と連携し, 協力し合うことでC/T比を低下させることができた. これからさらに求められるチーム医療の一端を担い, 生体肝移植に限らず, このように各診療科医師と連携, 協力することによってさらに適正輸血推進, 経済効果が期待できると思われる. |
---|---|
ISSN: | 0546-1448 |