高酸素透過性バッグによる高単位血小板の室温長期 (9日間) 保存

血小板製剤の有効期限は国際的には5日間であるが, 世界的に7日間への延長が検討され1)2), 欧州の一部の国ではすでに7日に延長されている. 一方, 日本では有効期限が3日間と世界基準に比べ短い. さらに, 1999年から導入されたウイルス核酸検査(NAT)により, 実質的な有効期間は2日程度であり, 血小板製剤の供給体制は大変厳しくなっている. また, 日本を含め, 多くの先進国における急速な高齢人口化は近い将来, 輸血用血液製剤の需要バランスを破綻させることが予測され, 特に重症患者に使用されることの多い血小板の供給が不足することは深刻な問題である. 血小板製剤の長期保存及び品質の改善とし...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 2005/12/20, Vol.51(6), pp.578-584
Hauptverfasser: 江月, 将史, 伊藤, 貴俊, 白濱, 憲昭, 高木, 忠之, 池田, 和彦, 橋本, 真一, 川畑, 絹代, 尾形, 隆, 大戸, 斉
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:血小板製剤の有効期限は国際的には5日間であるが, 世界的に7日間への延長が検討され1)2), 欧州の一部の国ではすでに7日に延長されている. 一方, 日本では有効期限が3日間と世界基準に比べ短い. さらに, 1999年から導入されたウイルス核酸検査(NAT)により, 実質的な有効期間は2日程度であり, 血小板製剤の供給体制は大変厳しくなっている. また, 日本を含め, 多くの先進国における急速な高齢人口化は近い将来, 輸血用血液製剤の需要バランスを破綻させることが予測され, 特に重症患者に使用されることの多い血小板の供給が不足することは深刻な問題である. 血小板製剤の長期保存及び品質の改善として, 現在までにポリオレフィン保存バッグの開発3)4), 血小板保存液5)6), アフェレーシス血小板7)などが研究され, 実用化されてきた. 我が国では血小板機能の劣化が早い, 高単位血小板製剤(20単位)の供給が諸外国と比べて比較的多い. そこで我々は血小板製剤の有効期限延長へのアプローチとして, 高単位でも長期保存が可能な酸素透過性を亢進させた新しいポリオレフィンバッグを開発した3).
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.51.578