11. 北海道における肝機能高値献血者のE型肝炎ウイルス(HEV)感染調査続報

【目的】昨年の発表で, 北海道内における肝機能高値献血者のHEV浸淫度は高い可能性があることを報告した. そこで昨年に引き続き, 道内の肝機能高値献血者を対象にHEV感染調査を行ったので報告する. 【方法】北海道で2003年4月から2004年3月までの1年間に献血された328,004検体のうち, 肝機能検査でALT値200IU/L以上の全87例についてReal-time RT-PCR法によりHEVRNAを検査し, 陽性となった検体について遺伝子解析および各種抗体検査を行った. さらに陽性検体のうち献血歴があるものは, 遡及調査を実施し同様に検査した. 【成績】肝機能高値検体87例中4例(4.6...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 2005, Vol.51 (1), p.44-44
Hauptverfasser: 徳島恵里奈, 坂田秀勝, 松林圭二, 佐藤進一郎, 加藤俊明, 池田久實
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】昨年の発表で, 北海道内における肝機能高値献血者のHEV浸淫度は高い可能性があることを報告した. そこで昨年に引き続き, 道内の肝機能高値献血者を対象にHEV感染調査を行ったので報告する. 【方法】北海道で2003年4月から2004年3月までの1年間に献血された328,004検体のうち, 肝機能検査でALT値200IU/L以上の全87例についてReal-time RT-PCR法によりHEVRNAを検査し, 陽性となった検体について遺伝子解析および各種抗体検査を行った. さらに陽性検体のうち献血歴があるものは, 遡及調査を実施し同様に検査した. 【成績】肝機能高値検体87例中4例(4.6%)がHEVRNA陽性(genotype IIIは3例, genotype IVは1例), そのうち3例は抗HEV IgM/IgG抗体陽性であった. HEV陽性率は道外の肝機能高値献血者と比較して明らかに高かった. また4例中1例について, 当該検体の3週間前に献血された検体の遡及調査を行ったところHEVRNAが検出されたが, 輸血には使用されていなかった. 【結論】道外献血者と比べ道内献血者のHEV浸淫度は高く, 全国的に見て北海道はHEVの流行地域であることが示された. 今後は道内におけるHEV感染の実態調査のために, ALT値60IU/L以下の健常ドナーを対象としたHEVRNAおよびHEV抗体検査を行う必要がある.
ISSN:0546-1448