8. 当院における不規則抗体の検出状況

近年, コンピュータクロスマッチの普及により, 不規則抗体スクリーニングの重要性が増している. そこで, 不規則抗体の検出状況について検討した. 【方法】1997年から2001年までの5年間に当院全科より依頼された不規則抗体検査延べ13876例を対象とした. 不規則抗体の検出は生食法, ブロメリン法, クームス法で実施したが, クームス法については97~98年の2年間はアルブミンを, 98~01年までの3年間はPeGを使用した. 【結果】陽性件数は延べ385件(陽性率2.8%)で, 内訳はLewis-116件, Rh-104件, Pl-76件, Duffy-21件, Diego-7件, Duf...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 2004, Vol.50 (6), p.797-798
Hauptverfasser: 土居靖和, 谷口裕美, 半田智子, 岡野理恵, 大野由香理, 西宮達也, 村瀬光春, 羽藤高明, 藤田繁
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, コンピュータクロスマッチの普及により, 不規則抗体スクリーニングの重要性が増している. そこで, 不規則抗体の検出状況について検討した. 【方法】1997年から2001年までの5年間に当院全科より依頼された不規則抗体検査延べ13876例を対象とした. 不規則抗体の検出は生食法, ブロメリン法, クームス法で実施したが, クームス法については97~98年の2年間はアルブミンを, 98~01年までの3年間はPeGを使用した. 【結果】陽性件数は延べ385件(陽性率2.8%)で, 内訳はLewis-116件, Rh-104件, Pl-76件, Duffy-21件, Diego-7件, Duffy+Diego-2件, Kidd-6件, Kell-2件, S-2件, その他-74件であった. なお, 97~98年では77件(陽性率1.7%)に対し, 99~01年では308件(陽性率3.3%)とPeG導入後に陽性率が上昇した. また, ブロメリン法でのみ検出される抗体は61例(陽性検体中15.8%)で, 内訳はRh-10件, Lewis-31件(Lea-27件), P1-10件, フノウ-9件, 寒冷凝集-1件であり, Rhの9.6%, Leaの25.7%はブロメリン法でのみ検出される抗体であった. 抗体検出時期については, 再同定120例を除く265例中, 183例(69.1%)が当院初回検査時に検出されていた. 【結論】不規則抗体をより確実に検出するためにはPeG法とブロメリン法の併用がよいが, その臨床的意義についてはさらに検討を要する.
ISSN:0546-1448