5. 医療機関からの依頼検査によって検出された抗HPA-3a抗体の2症例
新生児同種免疫性血小板減少症(NAIT)は, 母児血小板型不適合よって, 母親に産生された血小板抗体が児に移行し発症する. 今回, 我々は抗HPA-3a抗体により本症を惹起したと考えられる2症例を経験したので報告する. 【症例1】患児(第2子)は出生直後から顔面に点状出血斑を認め, 血小板数は43万/μLと低下していた. 経過観察において日齢3で11.4万/μL, 日齢5で26万/μLと回復し, 点状出血斑も次第に消失した. 母親血清からは, 抗HPA-3a抗体が検出された. HPAタイピングでは, 母親がHPA-3(a-b+)で, 父親及び患児は共にHPA-3(a+b+)であった. 【症例2...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 2004, Vol.50 (6), p.784-784 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 新生児同種免疫性血小板減少症(NAIT)は, 母児血小板型不適合よって, 母親に産生された血小板抗体が児に移行し発症する. 今回, 我々は抗HPA-3a抗体により本症を惹起したと考えられる2症例を経験したので報告する. 【症例1】患児(第2子)は出生直後から顔面に点状出血斑を認め, 血小板数は43万/μLと低下していた. 経過観察において日齢3で11.4万/μL, 日齢5で26万/μLと回復し, 点状出血斑も次第に消失した. 母親血清からは, 抗HPA-3a抗体が検出された. HPAタイピングでは, 母親がHPA-3(a-b+)で, 父親及び患児は共にHPA-3(a+b+)であった. 【症例2】患児(第1子)は出生直後から顔面に点状出血斑を認め, 血小板数は0.6万/μLと著名に低下していたため, 日齢1と日齢3にγ-グロブリンを投与した. 日齢10では6.9万/μLとやや回復傾向にあった. 頭部超音波検査において出血所見は認められなかった. 母親血清からは, 抗HPA-3a抗体及び抗HLA抗体が検出された. HPAタイピングでは, 母親がHPA-3(a-b+)で, 父親はHPA-3(a+b-)であった. 【考察】本邦での抗HPA-3a抗体によるNAITの特徴は, 頭蓋内出血を起こす危険性や重症度が他のHPA抗体に比べて高いことである. 幸いに両児共に一過性の血小板減少にとどまったが, 次回妊娠から出産に至るまで, NAITの再発も考慮し, より慎重な経過観察が必要であると考えられる. |
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ISSN: | 0546-1448 |