強力化学療法と同種骨髄移植療法が施行し得たIgA欠損症を伴う急性骨髄性白血病の1症例
同種輸血によるアナフィラキシー反応は, 患者に重大な病態を引き起こし, 時に致命的な副作用となりうる1). この原因として特に, IgA欠損患者において, IgAに対するクラス特異的抗体を保有している場合が問題となる2). 従ってIgA欠損症例に対して輸血療法を実施する際には, 自己血輸血を行うか, その適応とならない場合はIgA欠損ドナーの確保や製剤に対する洗浄操作を選択して, IgA抗体産生予防や輸血によるアナフィラキシーの防止対策が必要である2)3). 造血不全の病態を呈する白血病や再生不良性貧血などの造血器疾患の場合は, 自己血輸血の適応とならないばかりでなく, 反復する輸血療法を必要...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 2004/11/10, Vol.50(5), pp.714-719 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 同種輸血によるアナフィラキシー反応は, 患者に重大な病態を引き起こし, 時に致命的な副作用となりうる1). この原因として特に, IgA欠損患者において, IgAに対するクラス特異的抗体を保有している場合が問題となる2). 従ってIgA欠損症例に対して輸血療法を実施する際には, 自己血輸血を行うか, その適応とならない場合はIgA欠損ドナーの確保や製剤に対する洗浄操作を選択して, IgA抗体産生予防や輸血によるアナフィラキシーの防止対策が必要である2)3). 造血不全の病態を呈する白血病や再生不良性貧血などの造血器疾患の場合は, 自己血輸血の適応とならないばかりでなく, 反復する輸血療法を必要とするため, IgA欠損ドナーの確保が困難な場合が多い. 今回われわれは, IgA欠損をみとめた急性骨髄性白血病(AML)症例に, 強力化学療法によって寛解状態に到達した後, 同種骨髄移植療法を施行し得た症例を経験したので報告する. 症例 症例は29歳男性. 血液型はB型, Rh(D)陽性であった. 2001年12月にAMLの診断を得て, 当院血液内科に入院となった. |
---|---|
ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
DOI: | 10.3925/jjtc1958.50.714 |