当院における「輸血検査24時間体制」の構築

日本輸血学会が実施したABO不適合輸血の実態調査1)では, 1995年1月~1999年12月の5年間に578施設のうち115施設(19.9%)で計166件のABO不適合輸血の経験があり, そのうち100件(60.2%)が時間外に発生したと報告されている. また近畿地方の12大学病院を対象としたABO血液型不適合輸血の調査報告2)でも, 1993年~1997年の5年間にABO不適合輸血は9大学病院で計26件あり, そのうち20件(76.9%)が時間外に発生していた. 時間外に頻発する輸血事故の防止には, 輸血検査24時間体制の確立が重要であり, 全国国立大学医学部附属病院輸血部会議(42国立大学...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 2004/06/25, Vol.50(3), pp.436-443
Hauptverfasser: 古川, 美津子, 丸山, 篤芳, 葛西, 千枝子, 田中, 由美, 藤井, 忍, 中川, 泰久, 南, 信行, 桝屋, 正浩, 登, 勉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:日本輸血学会が実施したABO不適合輸血の実態調査1)では, 1995年1月~1999年12月の5年間に578施設のうち115施設(19.9%)で計166件のABO不適合輸血の経験があり, そのうち100件(60.2%)が時間外に発生したと報告されている. また近畿地方の12大学病院を対象としたABO血液型不適合輸血の調査報告2)でも, 1993年~1997年の5年間にABO不適合輸血は9大学病院で計26件あり, そのうち20件(76.9%)が時間外に発生していた. 時間外に頻発する輸血事故の防止には, 輸血検査24時間体制の確立が重要であり, 全国国立大学医学部附属病院輸血部会議(42国立大学病院輸血部が参加)では, 輸血部における臨床検査技師の増員について議論が続けられてきた. しかし, 現在まで多くの国立大学病院輸血部では臨床検査技師による輸血検査24時間体制の実現には至っていない. 当院では, 平成12年10月22日深夜, ABO不適合輸血事故が発生した. この事故を機に平成13年8月1日より『輸血検査24時間体制』を開始した. 今回, 輸血検査24時間体制整備までの経緯と平成13年3月~平成14年3月の1年間における時間外輸血検査体制の内容と検査依頼状況について報告する.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.50.436