P210 PO-80による高単位血小板製剤の7日間保存

【目的】高単位血小板製剤(PC)を良好に保存するために開発された高酸素透過性血液バッグ(PO-80, 川澄化学)について20単位の血小板製剤を9日間保存し, 7日間保存が可能か否かを評価した. 【方法】1)血小板保存バッグ:PO-80と, 対照としてPL2410(Baxter)を使用した. 両バッグの容量はいずれもIOOOmlであり, 酸素ガス透過性(ml/m2dayatm)はそれぞれ2,660, 2,024であった. 2)血小板製剤;アミカス(Baxter)で健常人よりアフェレーシス採取し, 同一血液型製剤を一旦プールし, 再度等分割して評価した. 3)評価項目;スワーリング, PLT数,...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 2004, Vol.50 (2), p.373-373
Hauptverfasser: 伊藤貴俊, 大戸斉, 尾形隆, 池田和彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】高単位血小板製剤(PC)を良好に保存するために開発された高酸素透過性血液バッグ(PO-80, 川澄化学)について20単位の血小板製剤を9日間保存し, 7日間保存が可能か否かを評価した. 【方法】1)血小板保存バッグ:PO-80と, 対照としてPL2410(Baxter)を使用した. 両バッグの容量はいずれもIOOOmlであり, 酸素ガス透過性(ml/m2dayatm)はそれぞれ2,660, 2,024であった. 2)血小板製剤;アミカス(Baxter)で健常人よりアフェレーシス採取し, 同一血液型製剤を一旦プールし, 再度等分割して評価した. 3)評価項目;スワーリング, PLT数, MPV, pH, pO2, pCO2, %HSR, 凝集能, グルコース, 乳酸の測定ならびに無菌試験を行った. 【結果と考察】分割したPCの総血小板数は4.2×1011個/250ml/バッグであった(20単位相当). 無菌試験の結果から細菌汚染はなかった. PO-80にてPCを保存した場合, 7日目までスワーリングが容易に確認できた. また9日目までスワーリングの消失は無かった. %HSRは7日間, 69%以上で良く維持され, 凝集能に著しい低下はみられずPCは良好に保存された. pHは5日間6.9-7.2の間で保持され, 急激な変動は認められなかった. 保存期間中におけるグルコースの消費量ならびに乳酸の産生量はそれぞれ42.8, 52.6(μM1012Plt/Hr)であり経時的には逆相関していた. これらのことからバッグ中に十分な酸素が存在し, また好気的代謝が維持されていたと思われる. さらに対照として用いたPL2410においても同様の結果を認め, 両バッグ間で有意な差は無かった. 【結論】開発された高酸素透過性血液バッグ(PO-80)は, 高単位血小板製剤を7日間良好に保存するバッグとして, 有用であることが示された.
ISSN:0546-1448