P179-0 性染色体異常を伴う半陰陽に血液型キメラを認めた症例
【症例】3歳の男児で半陰陽を呈しており, 外性器形成術の術前検査として血液型検査を行ったところABO血液型表試験で部分凝集を認めたため血液型精査を実施した. 患児は双胎ではなく, 輸血歴や血液疾患の合併も認められなかった. 【方法】患者と両親の末梢血を用いて, ABO血液型, 赤血球不規則抗体スクリーニング, 各種レクチン, RhMNSsPLewisDuffyKiddDiego血液型検査を実施した. またABO血液型については被凝集価, 型転換酵素, 血清中型物質を検査し, 採取できた場合には唾液中型物質検査を実施した. さらに赤血球のFCM解析およびABO血液型遺伝子解析をPCR-SSCP法...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 2004, Vol.50 (2), p.358-358 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【症例】3歳の男児で半陰陽を呈しており, 外性器形成術の術前検査として血液型検査を行ったところABO血液型表試験で部分凝集を認めたため血液型精査を実施した. 患児は双胎ではなく, 輸血歴や血液疾患の合併も認められなかった. 【方法】患者と両親の末梢血を用いて, ABO血液型, 赤血球不規則抗体スクリーニング, 各種レクチン, RhMNSsPLewisDuffyKiddDiego血液型検査を実施した. またABO血液型については被凝集価, 型転換酵素, 血清中型物質を検査し, 採取できた場合には唾液中型物質検査を実施した. さらに赤血球のFCM解析およびABO血液型遺伝子解析をPCR-SSCP法で行った. 【結果】不規則抗体スクリーニングは患者, 両親共に陰性. ABO血液型の表検査, cE, 抗A1レクチン抗A+B血清の室温5分放置において部分凝集がみられた. 被凝集価は, 患者と父は正常対照と同様に抗Aを認め, 患者の型転換酵素は対照256倍に対して128倍だった. 患者の赤血球のFCM解析ではA:O, CcEe:CCeeがいずれも7:3の割合で存在した. 遺伝子解析では, 父が(a/c)A型, 母(c/d)O型, 患者は(a/c, d)のA, O型キメラを示した. 【総括】本症例は双胎ではなく, 末梢血の染色体分析でもキメラを呈していることから半陰陽に伴うdispermic chimeraと推定される. 本例におけるA型赤血球とO型赤血球の割合が7:3で父型が優位であったが, 血液以外の体細胞ではどのような割合であるかは爪などの体細胞試料を用いて今後検討する必要がある. 本例のように体細胞のキメリズムが半陰陽の原因であることは容易に示唆されるが血液のキメラの割合がどのようにして決まるかは未だに不明であり, これからの成長過程での経過観察が重要と考えられる. |
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ISSN: | 0546-1448 |