P162「AHG-Enz2」カードの不規則抗体スクリーニング検査への導入

【目的】我々の施設では従来, 不規則抗体スクリーニング検査をオリンパス社マイクロタイピングシステム(MTS)のAHG法(クームス法)とBromelin1段法(以下BrI)を行っていたが, 別々のカードを使用していた. 今回, AHG法とPapain2段法(以下PaII)が一枚のカードでできる「AHG-Enz2」カード「I. II. III. Dia. VP. VIP」血球の発売を機に導入を考え, それに伴う問題点を検討した. 【方法】酵素法がBrIからPaIIになることで, 1)臨床上重要な抗体を問題なく検出できるか, 2)非特異反応等を生じないか, 3)効率的な検査が可能かを無作為に選んだ検...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 2004, Vol.50 (2), p.349-349
Hauptverfasser: 大木直江, 山田恵子, 富樫和枝, 大竹幸子, 斎藤幸子, 大越章吾, 布施一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】我々の施設では従来, 不規則抗体スクリーニング検査をオリンパス社マイクロタイピングシステム(MTS)のAHG法(クームス法)とBromelin1段法(以下BrI)を行っていたが, 別々のカードを使用していた. 今回, AHG法とPapain2段法(以下PaII)が一枚のカードでできる「AHG-Enz2」カード「I. II. III. Dia. VP. VIP」血球の発売を機に導入を考え, それに伴う問題点を検討した. 【方法】酵素法がBrIからPaIIになることで, 1)臨床上重要な抗体を問題なく検出できるか, 2)非特異反応等を生じないか, 3)効率的な検査が可能かを無作為に選んだ検体250本と凍結陽性検体11本の計261本について検査した. 【結果】1)261検体中, クームス法酵素法ともに陽性は11件(4.2%), クームス法のみ陽性は2件(0.8%), 酵素法のみ陽性は7件(2.7%)であった. 酵素法の内訳は, BrI, PaIIともに陽性が4件(1.5%), BrIは陰性だがPaIIで陽性となったものが3件(1.1%:E, Lea)であった. 逆にBrIは陽性でPaIIが陰性となったものはなかった. 2)非特異反応はBrI, PaIIともに5検体(1.9%)で特に差はみられなかった. 3)MTS用全自動輸血検査装置(ID-GelStation)では, 約40分で最大8検体の検査が可能であった(従来は約47分で最大6検体). 1患者1カードなので, 用手法の際も効率よく検査でき判定も容易であった. 【結論】PaIIはBrIと同程度の非特異反応出現率で, 特にRh抗体の早期検出に効果を発揮することから, 適合血のより早い供給が可能であり, 本法の採用は検査の効率化に大きく寄与するものと思われた. 我々は02年9月から導入し, 導入後3ヶ月間でPaIIのみで抗体が検出同定できたものは1159検体中14件(1.2%)である.
ISSN:0546-1448