P122 カラム法における直接抗グロブリン試験と赤血球結合IgG
【目的】自己免疫性溶血性貧血(AIHA)は, 赤血球に対する自己抗体の出現とそれにより誘発される溶血を主徴とする疾患群であり, 自己抗体の検出および特異性の同定が重要である. 一つの指標として直接抗グロブリン試験(DAT)があり, DATは生体内において赤血球が免疫グロブリンや補体, またはその両者に被覆されているかを知る検査である. 以前から従来の試験管法とカラム法とで, 結果の相違がみられることに着目し, それらの感度の差, 赤血球結合IgG量を報告してきたが, 今回カラム法でDAT/IDATカセットの使用の機会を得, 比較検討を行った, 【方法】300検体について, カラム法はAHGカセ...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 2004, Vol.50 (2), p.329-329 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】自己免疫性溶血性貧血(AIHA)は, 赤血球に対する自己抗体の出現とそれにより誘発される溶血を主徴とする疾患群であり, 自己抗体の検出および特異性の同定が重要である. 一つの指標として直接抗グロブリン試験(DAT)があり, DATは生体内において赤血球が免疫グロブリンや補体, またはその両者に被覆されているかを知る検査である. 以前から従来の試験管法とカラム法とで, 結果の相違がみられることに着目し, それらの感度の差, 赤血球結合IgG量を報告してきたが, 今回カラム法でDAT/IDATカセットの使用の機会を得, 比較検討を行った, 【方法】300検体について, カラム法はAHGカセット, DAT/IDATカセットの抗IgG, 抗C3b+C3d, コントロールについて, 試験管法は同様に, 広範囲, 抗IgG, 抗C3b+C3d, コントロールについての反応の有無および反応強度を求めた. さらに44検体の赤血球結合IgG量を測定した. 【結果】DATの陽性率を比較すると, 試験管法が3%(9/300), カラム法のAHGカセットが63.3%(190/300), DAT/IDATカセットの抗IgGが45.0%(135/300), 抗補体が6%(18/300)であった. AHGカセットと抗IgGを比較すると, 同じ強さを示す検体は74.1%(100/135), AHGに比し抗IgGがlgrade弱い反応を示したものが25.9%(35/135)であった. 赤血球結合IgG量は, AHGカセットの反応がW+~1+が16~113分子(平均50.0), 2+が39~144(89.6), 3+が26~378(136.0), 4+が170~980(618)であった. 【考察】DATの陽性率からみると, AHGカセット>DAT/IDATカセットの抗IgG>試験管法の結果を得たが, 赤血球結合IgG量は, 1+以下のものは差がなく, 2+以上は比例傾向がみられた. 従来, DAT陰性のAIHAが8%存在するといわれているが, カラム法の強さと赤血球結合IgG量を参考に, 臨床に役立てたいと思う. 赤血球結合IgGの測定に際し, 法医学人類遺伝学の小山田隆技師に深謝いたします. |
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ISSN: | 0546-1448 |