P55-0 anti-PLT・オリビオ・MPHAで検出できないIgMタイプHLA抗体による血小板輸血不応症例
【はじめに】現在, 血小板抗体検出法としてMPHA法(混合受身凝集法)を用いたスクリーニングキットが広く用いられている. 今回この方法によって検出できなかったIgMタイプのHLA抗体による血小板輸血不応症を経験したので報告する. 【症例】38歳, 男性, MDS. 幹細胞移植に伴う化学療法中に血小板輸血不応状態に陥ったため市販のMPHA法を用いたスクリーニングキットによる検査を行ったが陰性を示し, 臨床症状と乖離がみられたため精査を行った. 【方法および結果】1)市販のキット(HLA-A24抗原含む, 2ロット使用)では陰性を示した. 2)LCT, AHG-LCT法にて陽性を示しHLA-A24...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 2004, Vol.50 (2), p.296-296 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】現在, 血小板抗体検出法としてMPHA法(混合受身凝集法)を用いたスクリーニングキットが広く用いられている. 今回この方法によって検出できなかったIgMタイプのHLA抗体による血小板輸血不応症を経験したので報告する. 【症例】38歳, 男性, MDS. 幹細胞移植に伴う化学療法中に血小板輸血不応状態に陥ったため市販のMPHA法を用いたスクリーニングキットによる検査を行ったが陰性を示し, 臨床症状と乖離がみられたため精査を行った. 【方法および結果】1)市販のキット(HLA-A24抗原含む, 2ロット使用)では陰性を示した. 2)LCT, AHG-LCT法にて陽性を示しHLA-A24に特異性を示した`抗体値はLCT法で256倍であった. 3)抗ヒトIgM感作血球を用いたMPHA法にて同様の検査を行ったところA24陽性抗原に対しては512倍を示しIgMタイプの高力値HLA-A24抗体の存在が認められた. またA24陰性抗原に対しても8倍を示し他にbroadな反応を示すHLA抗体またはHLA特異性を示さないリンパ球抗体の関与も疑われた. 4)抗体同定後1か月を経過しているが抗ヒトIgG感作血球に対しては陰性を示している. 【考察】MPHA法による市販のキットでは検出できないIgMタイプHLA抗体による血小板輸血不応を示した稀な症例を経験した. IgMタイプのHLA抗体は非常に稀でこの症例ではなぜIgGにスイッチしないのかは現在不明である. このキットではIgG感作血球を用いているためIgMタイプの抗体を検出できないと考えられるが早期に抗体を同定すればHLA適合血小板の選択が可能な点から試薬の改良が必要と考えられた. またロット間でコーティングされているHLA抗原に違いがあることから対応HLA抗原タイプの表記を要望すると同時にHLA抗体の検出法としては注意が必要である. |
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ISSN: | 0546-1448 |