P6 西アフリカ2カ国(Benin,Cote d'Ivoire)における初回献血者の輸血関連ウイルスに関する疫学的調査

【目的】アフリカの輸血による感染予防の目的で, 初回供血血液の血液感染症のマーカーを検査し, 陽性率および現地の検査精度と比較検討した. 【検査対象】BeninとCote d'Ivoireの血液センターの初回献血者各500検体 【検査方法】シスメックス株式会社の検査試薬「ランリーム」と富士レビオ株式会社の「セロディア」で5項目すなわちHBs抗原, HCV抗体, HIV抗体, HTLV-I抗体, TP抗体をスクリーニングし, ブロット法で確認した. また, HIV陽性検体は塩基配列を決定し, 分子系統樹解析を行い, サブタイプを決定した. 【結果】すべての感染症マーカーの陰性数を日本と...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 2004, Vol.50 (2), p.271-271
Hauptverfasser: 宮地峰輝, 香川孝司, 高浜洋一, 浜口行雄, 坂本優子, 吉原なみ子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】アフリカの輸血による感染予防の目的で, 初回供血血液の血液感染症のマーカーを検査し, 陽性率および現地の検査精度と比較検討した. 【検査対象】BeninとCote d'Ivoireの血液センターの初回献血者各500検体 【検査方法】シスメックス株式会社の検査試薬「ランリーム」と富士レビオ株式会社の「セロディア」で5項目すなわちHBs抗原, HCV抗体, HIV抗体, HTLV-I抗体, TP抗体をスクリーニングし, ブロット法で確認した. また, HIV陽性検体は塩基配列を決定し, 分子系統樹解析を行い, サブタイプを決定した. 【結果】すべての感染症マーカーの陰性数を日本と現地の検査結果について比較するとBeninの供血検体については日本が437検体, Beninが436検体で数字の上ではほほ一致していた. しかし, 陽性一致率はHBs抗原が95.8%, HCV抗体が12.1%, HIV抗体が0%, HTLV-I抗体が0%, TP抗体が40%であり, HBs抗原以外は陽性検体が一致しなかった. 陰性一致率はHBs抗原が99.4%, HCV抗体が95.5%, HIV抗体が99.6%, HTLV-I抗体が98.0%, TP抗体が99.4%であり, 全ての項目において95%以上であった. Cote d'IvoireについてはHIV抗体以外は日本の検査と比較して一致率が低く, 偽陽性および偽陰性が多く見られた. HIVのサブタイプについてはBeninはHIV陽性が6例(1.2%)中1例が解析でき, CRFO2であった. Cote d'Ivoireは陽性26例(5.2%)中18例が解析でき, Aが17例, Gが1例であった. 【考察】現地では偽陽性を多く拾っていることがわかった. 安全な血液供給のためには感度精度の高い検査法の導入, 技術指導, 精度管理の必要性が強く示唆された.
ISSN:0546-1448