E8-1 EBMの実践:臨床医の立場から

EBMの実践について, 僻地診療所での自身の経験を元に, 下記のEBMの5つのステップに沿って, 症例を通じて紹介する. EBMは実践法と教育法がセットになっており, その実践法だけでなく, 教育方法も重要な要素である. その教育法についてもできる限り紹介したい. EBMという言葉の普及とともにEBMに対する誤解はますます深まっているように思われる. EBMとはランダム化比較試験に基づく医療である. EBMは平均値を重視し, 個別の患者の状況を無視した医療である. EBMは医師の裁量権を脅かすものである. EBMは医療費削減のための手段である. それらの意見をEBMに対する誤解だと斬って捨てる...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 2004, Vol.50 (2), p.234-234
1. Verfasser: 名郷直樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:EBMの実践について, 僻地診療所での自身の経験を元に, 下記のEBMの5つのステップに沿って, 症例を通じて紹介する. EBMは実践法と教育法がセットになっており, その実践法だけでなく, 教育方法も重要な要素である. その教育法についてもできる限り紹介したい. EBMという言葉の普及とともにEBMに対する誤解はますます深まっているように思われる. EBMとはランダム化比較試験に基づく医療である. EBMは平均値を重視し, 個別の患者の状況を無視した医療である. EBMは医師の裁量権を脅かすものである. EBMは医療費削減のための手段である. それらの意見をEBMに対する誤解だと斬って捨てることはたやすい. しかし, そのような批判を今一度しっかりと受け止め, まずは自分自身のEBMの実践, 教育の具体例を皆さんの批判のもとにさらしたい. そうした結果, EBMが難しい考え方や概念でなく, 聴診器や血圧計と同様臨床医支援のための道具に過ぎないこと ランダム化比較試験などの論文に基づく一般的な医療の提示でなく, 個別の医療実践にあること これまでの医療を置き換えるようなものでなく, これまでのやり方に付け加えてこそ威力を発揮すること がお示しできれば幸いである. EBMの5つのステップ 1. 目の前の患者の問題の定式化 2. 情報収集 3. 情報の批判的吟味 4. 情報の患者への適用 5. 1-4のプロセスの評価
ISSN:0546-1448