新生児医療と輸血

1989年4月から2003年3月までの14年間における当センターへの入院患児数は833名であり, うち273名(33%)に濃厚赤血球輸血(以下, 輸血)を施行した. 被輸血児の主病名は, 「低出生体重児」が251名と最も多く, 輸血の適応はその殆どが「未熟児貧血の改善」であった. 低出生体重児の中でも, 極低出生体重児の輸血施行率が63%(310名中195名)と高かったため, これらの児における輸血の要否に関する因子を検討した. 1997年4月から2003年3月までの6年間に入院した極低出生体重児のうち, 輸血を要した児48名と不要であった40名を比較した結果, 採血量が少ない児, 出生体重が...

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1. Verfasser: 氏家二郎
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:1989年4月から2003年3月までの14年間における当センターへの入院患児数は833名であり, うち273名(33%)に濃厚赤血球輸血(以下, 輸血)を施行した. 被輸血児の主病名は, 「低出生体重児」が251名と最も多く, 輸血の適応はその殆どが「未熟児貧血の改善」であった. 低出生体重児の中でも, 極低出生体重児の輸血施行率が63%(310名中195名)と高かったため, これらの児における輸血の要否に関する因子を検討した. 1997年4月から2003年3月までの6年間に入院した極低出生体重児のうち, 輸血を要した児48名と不要であった40名を比較した結果, 採血量が少ない児, 出生体重が1250g以上の児, 在胎週数が28週以上の児, 子宮内発育遅延児, 出生時のHct値が50%以上の児における輸血施行率は有意に低かった. これに対して, 出生時のアプガースコアの高低, 呼吸管理日数の長短については有意差を認めなかった.
ISSN:0546-1448