P113-O 一般病院における緊急輸血体制の確立に向けて-特にO型緊急輸血について
ABO型異型輸血に代表される輸血事故は, 緊急輸血に際して高頻度に起こっている. 当院は救急部, 心臓血管外科があり, 緊急に赤血球輸血が必要な出血性ショック状態患者への輸血がしばしば行われる. 当院における輸血事故を防止するために, 輸血学会の指針に従い, 安全で速やかな輸血が行われるよう緊急輸血マニュアルを作成した. 【方法】緊急度を, 緊急度I(O型緊急輸血), 緊急度II(交差適合試験未実施緊急輸血), 緊急度III(交差適合試験実施緊急輸血)に分け, 状況に応じて, 医師が選択する. 緊急度Iで開始した時は, 緊急度IIを経ず, 緊急度IIIへ移行する. 患者血液型のダブルチェック(...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 2003, Vol.49 (2), p.291-291 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ABO型異型輸血に代表される輸血事故は, 緊急輸血に際して高頻度に起こっている. 当院は救急部, 心臓血管外科があり, 緊急に赤血球輸血が必要な出血性ショック状態患者への輸血がしばしば行われる. 当院における輸血事故を防止するために, 輸血学会の指針に従い, 安全で速やかな輸血が行われるよう緊急輸血マニュアルを作成した. 【方法】緊急度を, 緊急度I(O型緊急輸血), 緊急度II(交差適合試験未実施緊急輸血), 緊急度III(交差適合試験実施緊急輸血)に分け, 状況に応じて, 医師が選択する. 緊急度Iで開始した時は, 緊急度IIを経ず, 緊急度IIIへ移行する. 患者血液型のダブルチェック(時間と場所を変えて2回採血)は必須とする. 緊急度Iに備え, O型MAP6単位を照射し, 常時, 輸血室に保管する. また, 血液センターより納品された0型MAPは, 当院にて血液型の確認検査を行う. 輸血申し込みから輸血開始までに要した時間, 取り決め事項の達成度などを検討した. 【結果】緊急輸血体制実施前:2000年1月から8月に救急外来で輸血を必要とした20例中, ショック12例の輸血実績をコントロールとした. この期間の交差適合試験未実施未照射輸血は3件であった. これよりO型緊急輸血対象者は年間5~6例と予測した. 緊急輸血体制実施後(2001年8月以降):緊急度1は11例に施行された. 輸血申し込みから輸血開始までの時間は, 緊急輸血体制実施前は62. 2±328分, 実施後は10. 2±35分であった. 【考察】緊急輸血体制を整備したことにより, ABO型異型輸血の危険性を低減し, 血液製剤への照射が行われ, 迅速な輸血が行えるようになった. 安直にO型緊急輸血に流れないよう実施後に適応が適切であったか検討を加えた. 対象症例が予測値より多かったが, ほぼ適切に運用されていた. しかし, 血液型のダプルチェックが行われないなど緊急輸血マニュアルに従っていない例があり, 今後, さらに周知徹底されるよう一層努力する必要がある. |
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ISSN: | 0546-1448 |