看護部門(1)「現場から積み上げる誤薬防止対策」

【都立駒込病院におけるリスクマネジメント】東京都立病院は都民の安全と安心を支える質の高い「患者中心の医療」を実現するため, 医療安全管理体制の充実, 強化を図っている. 駒込病院のリスクマネジメント組織は, 医療事故および医療紛争に対応する医療事故対策特別委員会, 院全体を視野に入れた事故予防対策の検討及び推進に関することなどに対応するリスクマネジメント委員会がある. この委員会の下部組織として, 部門ごとに分科会を設置し, リスクマネジャーを配置している. 看護部門では, 各看護単位の看護長がリスクマネジャーとして看護分科会の構成員となっている. 安全推進委員会は主任を中心に活動している....

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 2003, Vol.49 (2), p.170-170
Hauptverfasser: 橋本英子, 山中節子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【都立駒込病院におけるリスクマネジメント】東京都立病院は都民の安全と安心を支える質の高い「患者中心の医療」を実現するため, 医療安全管理体制の充実, 強化を図っている. 駒込病院のリスクマネジメント組織は, 医療事故および医療紛争に対応する医療事故対策特別委員会, 院全体を視野に入れた事故予防対策の検討及び推進に関することなどに対応するリスクマネジメント委員会がある. この委員会の下部組織として, 部門ごとに分科会を設置し, リスクマネジャーを配置している. 看護部門では, 各看護単位の看護長がリスクマネジャーとして看護分科会の構成員となっている. 安全推進委員会は主任を中心に活動している. 平成12年より, 駒込病院は看護部に専任リスクマネジャーを配置し, 現在2代目の専任リスクマネジャーである. 【看護部における活動の実際】インシデント アクシデント レポートの報告件数の5割弱を占めるのが誤薬である. これに対して, 看護分科会と安全推進委員会は連携して事故防止活動を推進している. 具体的には1, 事故事例の要因分析対応策の立案実施2, 安全管理についての院内研修, OJTの企画と支援3, 職場巡回活動などがあげられる. 「ダブルチェック」「指差し呼称」が確実に行なえるための取組みも進めている. 【結果と課題】平成13年度のレポート分析結果と比較すると, 輸液の速度管理や輸液バッグの隔壁開通に関わるミスが減少した. 輸血や化療薬に関わる重大な事故は発生していないが, レポート報告件数は大差ない. 今後の課題は, 少しでもヒューマンエラーを少なくすることやミスの発見の時期を早くできるシステムの構築である.
ISSN:0546-1448