白血球除去フィルター濾過後の全血に残存する白血球分画の解析
輸血用血液中の白血球に起因する副作用は周知され1)2), これらの副作用は白血球の種類に関連する. 例えば, 輸血関連移植片対宿主病(transfusion-associated graft versus host disease:TaGVHD) はTリンパ球がその発症に関与する3). human immunodeficiency virus(HIV)4)およびhuman T-cell lymphotropic virus(HTLV)はTリンパ球5), Epstein-Barr virus(EBV)は主にBリンパ球6), cytomegalovirus(CMV)は主にBリンパ球, 単球, 顆粒...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 2002/11/01, Vol.48(5), pp.419-425 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 輸血用血液中の白血球に起因する副作用は周知され1)2), これらの副作用は白血球の種類に関連する. 例えば, 輸血関連移植片対宿主病(transfusion-associated graft versus host disease:TaGVHD) はTリンパ球がその発症に関与する3). human immunodeficiency virus(HIV)4)およびhuman T-cell lymphotropic virus(HTLV)はTリンパ球5), Epstein-Barr virus(EBV)は主にBリンパ球6), cytomegalovirus(CMV)は主にBリンパ球, 単球, 顆粒球に感染し7)8), 感染性輸血副作用の原因になる. また, プリオンの伝播はBリンパ球などと関連していることが指摘されている9. 近年, このような白血球による輸血副作用の予防に白血球除去血液が広く使用されている. 白血球除去のためフィルターが開発され, 99. 99%以上の白血球を除去することができるようになった10). 我が国では主に輸血時に臨床現場で使用されているが, 欧州諸国では輸血用血液から採血後速やかに白血球を除去するprestorage leukocyte reduction(保存前白血球除去)が導入されている11). このように, 今後, 白血球を減少させた血液がさらに広く臨床応用されると思われるが, 濾過後の微量の残存白血球の性状に関しては不明な点が多い. そこで, 我々は保存前白血球除去用に開発された全血用白血球除去フィルターを用い, フィルターの性能を評価するとともに残存白血球の分画およびその数量を解析した. |
---|---|
ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
DOI: | 10.3925/jjtc1958.48.419 |