P-140 当院における前置胎盤症例に対する自己血輸血の問題点
(目的)当院に平成(H)11年6月, 周産期センターが開設され, 異常妊娠症例の手術, 輸血対象例が年々増加している. それに伴い, 前置胎盤例の自己血採血の当科への依頼件数, 自己血輸血実施例は増加の一途にある. そこで, 今回は前置胎盤における自己血輸血の問題点に焦点を絞って報告する. (対象と方法)H11年4月-H13年11月の期間, 前置胎盤症例52例(32.4±0.6才)が入院し, 自己血採取した症例40例(内分けは36例:自己血輸血, 一部の製剤の廃棄例も含む, 1例:自己血輸血+同種血輸血, 3例:全貯血製剤未使用例), 無輸血例10例, 同種血輸血例2例であった. 自己血採血し...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 2002, Vol.48 (2), p.225-225 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | (目的)当院に平成(H)11年6月, 周産期センターが開設され, 異常妊娠症例の手術, 輸血対象例が年々増加している. それに伴い, 前置胎盤例の自己血採血の当科への依頼件数, 自己血輸血実施例は増加の一途にある. そこで, 今回は前置胎盤における自己血輸血の問題点に焦点を絞って報告する. (対象と方法)H11年4月-H13年11月の期間, 前置胎盤症例52例(32.4±0.6才)が入院し, 自己血採取した症例40例(内分けは36例:自己血輸血, 一部の製剤の廃棄例も含む, 1例:自己血輸血+同種血輸血, 3例:全貯血製剤未使用例), 無輸血例10例, 同種血輸血例2例であった. 自己血採血した40例を対象とし, それに伴う迷走神経反応(vasovagal reaction;VVR)と自己血廃棄を問題点として検討した. 自己血採血の用いる血液バッグは17ゲージ針付きテルフレックス(テルモ社SC-407), あるいはカーミCA液(川澄化学KBS-400CA7)で, 平成13年6月からは採血後生理食塩水の補液を全例施行した. (結果)前置胎盤症例(括弧内は自己血採血例数を示す)は, H11年度11例(7例), H12年度13例(9例), H13年度28例(24例)と増加している. H11年4月-H13年5月, 24例中3例に迷走神経反応が出現した(発生率12.5%). normovolemic phlebotomyに徹してからはVVR発生はない(0%, 0/16). 年間自己血廃棄数は, H11年度19単位/852単位(2.2%), H12年度18単位/1046単位(1.7%), H13年度76単位/857単位(8.9%)であった. 前置胎盤症例の年間自己血廃棄数は, H11年度8単位(0.9%), H12年度4単位(0.4%), H13年度46単位(5.3%)と増加している. (考察)献血後のVVR発生率は0.5%前後, 術前貯血式でのVVR発生率は1-2%であるのに比べると, 前置胎盤症例の自己血採血後VVR発生率が高く, 母児への安全性の観点から十分注意を要する. しかも結果的に自己血が廃棄されており, 前置胎盤症例独自の自己血採血基準を再考する必要がある. |
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ISSN: | 0546-1448 |