P-138 高齢者における自己血輸血療法-当センターの現状
(目的)当センターにおける高齢者自己血輸血療法(貯血式自己血輸血)の現状について報告する. (対象)1996年4月より2001年9月までに, 当センターにおいて自己血輸血療法を受けた症例276例(男性56例, 女性220例, 平均年齢72.9歳, 最小46歳, 最大85歳, 最頻値70歳)を対象とした. (方法)自己血使用量の経時的変化, および科別, 術式別, 年齢別の貯血量, 使用量, 同種血回避率について検討を行った. (結果)自己血の総使用量は, 96年度67単位, 97年度74単位, 98年度104単位, 99年度184単位, 2000年度430単位, 2001年4~9月230単位と...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 2002, Vol.48 (2), p.224-224 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | (目的)当センターにおける高齢者自己血輸血療法(貯血式自己血輸血)の現状について報告する. (対象)1996年4月より2001年9月までに, 当センターにおいて自己血輸血療法を受けた症例276例(男性56例, 女性220例, 平均年齢72.9歳, 最小46歳, 最大85歳, 最頻値70歳)を対象とした. (方法)自己血使用量の経時的変化, および科別, 術式別, 年齢別の貯血量, 使用量, 同種血回避率について検討を行った. (結果)自己血の総使用量は, 96年度67単位, 97年度74単位, 98年度104単位, 99年度184単位, 2000年度430単位, 2001年4~9月230単位と急激に増加した. また, 外科系の赤血球輸血に占めるその割合は, 97年度には5.8%であったが年々増加し, 2001年4~9月には29.8%となった. 2000年4月~2001年9月に自己血を準備した手術症例は合計178例, 内訳は整形外科166例(93.3%), 泌尿器科10例(5.6%), 婦人科2例(1.1%)であった. 症例数の多かった整形外科について術式別にみると, 人工膝関節置換術(91例, 平均年齢75.5歳)で平均貯血量3.91単位, 平均使用量3.82単位, 同種血回避率94.5%, 以下順に人工股関節置換術(35例, 71.1歳)5.57単位, 5.06単位, 91.4%, 椎弓切除(14例, 74.6歳)2.57単位, 2.14単位, 100%であった. 年齢別では, 75歳未満(93例), 75歳以上(85例)で平均貯血量4.23単位, 3.84単位, 平均使用量3.71単位, 3.71単位, 同種血回避率95.7%, 92.9%であった. 全体を通しての同種血回避率は94.6%(男性98.2%, 女性93.6%)であった. (考察)(1)外科系赤血球輸血に占める自己血の割合は急激に増加し, 同種血の使用削減につながっていると考えられた. (2)貯血量, 使用量は術式に依存していた. (3)平均年齢72.9歳であっても, 同種血回避率は94.6%と高い数字であった. (まとめ)少子高齢社会をむかえた現在, 供血者の減少, 患者年齢の上昇が確実に予想される. 今後, 高齢者においても自己血輸血療法のさらなる普及が望まれ, その対応は充分可能と考えられる. |
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ISSN: | 0546-1448 |