P-110 過去五年間に東京小児がん研究グループ参加施設で行われた顆粒球輸血の検討
近年G-CSFを用いた採取法による顆粒球輸血GTXの有効性が見直され始めている. 特に小児では体重が小さく輸注細胞数が多くなるため成人に比べて臨床効果が期待される. 適正で安全なGTXについて議論をすべき時期にある. (目的)白血病等血液疾患治療中の顆粒球減少に伴う感染症発症時のGTXについて実体を解析し問題点を呈示する. (方法)東京小児がん研究グループ参加41施設にアンケート調査. (結果)一次回答35施設中, 過去5年間にGTXを施行した施設は17施設. 採取者は6施設が輸血部, 12施設が主治医だった. ドナーへの採取同意は11施設が文書, 5施設は口頭の同意であった. G-CSFのみ...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 2002, Vol.48 (2), p.210-210 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年G-CSFを用いた採取法による顆粒球輸血GTXの有効性が見直され始めている. 特に小児では体重が小さく輸注細胞数が多くなるため成人に比べて臨床効果が期待される. 適正で安全なGTXについて議論をすべき時期にある. (目的)白血病等血液疾患治療中の顆粒球減少に伴う感染症発症時のGTXについて実体を解析し問題点を呈示する. (方法)東京小児がん研究グループ参加41施設にアンケート調査. (結果)一次回答35施設中, 過去5年間にGTXを施行した施設は17施設. 採取者は6施設が輸血部, 12施設が主治医だった. ドナーへの採取同意は11施設が文書, 5施設は口頭の同意であった. G-CSFのみで顆球を採取している施設は2施設, HES沈降法とG-CSF投与を併用している施設は8施設, HESのみで採取している施設は4施設あった. 二次調査は19施設から回答があり, 過去5年間に43症例, 延べ172回のGTXが行われていた. 疾患の内訳は, ALLが7例11回, AMLが12例41回, NHL3例32回, 神経芽細胞腫1例1回, 非悪性疾患ではKostmann症候群が2例, 再生不良性貧血が2例, 慢性肉芽腫症が3例, HLHが2例, 大理石病が1例であった. 一次調査で回答があった35施設中, GTXを行っている施設と経験はないが機会があれば行うと答えた施設は25施設, 行わない方針の施設は8施設でありGTXに対して肯定的な施設が多かった. (考察)調査期間の5年間に参加施設で治療される血液悪性腫瘍疾患はおよそ700-800例程である. 非悪性疾患を含めたとしても, 今回の43症例173回のGTXは予想したよりも多い結果であり, ある頻度でGTXを必要とする症例が発生することを示している. しかし健康ドナーへのG-CSFの投与, HES使用の可否, 顆粒球採取の方法, ドナーの選択, ICの取得など施設間で大きく異なっており, より適正で安全なGTXが行われるよう議論が必要であると考えた. |
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ISSN: | 0546-1448 |