P-095 白血球除去フィルターのアレルゲン性に関する検討

(目的)赤血球あるいは血小板製剤等の輸血が将来にわたって必要な患者へは, 輸血する際, 血液製剤に含まれる白血球自体が同種免疫原となり, 抗HLA抗体の産生や血小板輸血無効状態のような重大な輸血副作用を生じる可能性があることから, その予防策として白血球除去フィルター(以下フィルター)を用いた白血球除去製剤が使用されている. しかし, フィルターの使用が原因と思われる輸血副作用も報告されており, その中には, 咽頭あるいは気道周辺の浮腫を伴うアナフィラキシー反応も含まれている. これらの副作用の原因の一つとしてフィルター成分の患者体内への混入が疑われる. そこで, フィルター成分がアレルゲンと...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 2002, Vol.48 (2), p.202-202
Hauptverfasser: 国分寺晃, 小林優子, 今泉理恵, 山際純子, 前田和宏, 郡谷哲男, 谷脇清助, 戸田曉成, 山崎祐美子, 田中英久, 西岡啓介, 五熊丈義, 山口雅生, 三澤眞人, 甲斐俊朗, 原宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:(目的)赤血球あるいは血小板製剤等の輸血が将来にわたって必要な患者へは, 輸血する際, 血液製剤に含まれる白血球自体が同種免疫原となり, 抗HLA抗体の産生や血小板輸血無効状態のような重大な輸血副作用を生じる可能性があることから, その予防策として白血球除去フィルター(以下フィルター)を用いた白血球除去製剤が使用されている. しかし, フィルターの使用が原因と思われる輸血副作用も報告されており, その中には, 咽頭あるいは気道周辺の浮腫を伴うアナフィラキシー反応も含まれている. これらの副作用の原因の一つとしてフィルター成分の患者体内への混入が疑われる. そこで, フィルター成分がアレルゲンとなりうるか否かの検討をフィルター抽出物を用いて検討した. (方法)フィルター抽出物(3社の製品)は, フィルターの分解, 裁断後, 室温でアセトン中にて超音波洗浄及び静置により抽出した. 対象としてはHartley系雄モルモットを用い, 皮膚感作試験を行った. 一次感作は, 抽出物を皮内投与し, 反応増強剤としてFreund's Complete Adjuvant(FCA)を用いた. 二次感作は, 皮内投与後7日目に抽出物をろ紙に吸着させたものを皮内感作部に貼付け, 48時間閉塞貼付けした. 惹起は, 二次感作後14日目に惹起用パッチを24時間閉塞貼付け, パッチ除去後24及び48時間後の皮膚を観察しDraizeの判定基準に従って評価した. (成績)2社のフィルター抽出物は, 惹起貼付け除去後, 24及び48時間後ともに陽性率0%であったが, 1社のフィルター抽出物は, それぞれ陽性率70%(10例中7例), 60%(10例中6例)であった. (結論)モルモットの皮膚感作試験においてフィルター抽出物の惹起で感作性が認められた. また, 人を対象として, 皮膚感作試験(パッチテスト)やフィルター抽出物と共に培養した細胞の解析も検討しているので, 合わせて報告する. (謝辞)今回の検討に技術協力とご指導いただきました同皮膚科, 夏秋優先生に深謝いたします.
ISSN:0546-1448