O-021 アルブミン製剤使用調査の結果と効果

愛媛県は全国でもアルブミン使用量の多い県の一つである. われわれはこの状況を反省し, まず, 当院のアルブミン使用状況を調査した. 対象と方法:2001年2月, 3月と, 2001年8月の計3ヵ月を調査期間とし, この間に当院でアルブミンを使用した患者を対象とした. 調査は主治医に対するアンケート方式で, 「血液製剤の使用指針」に則った使用理由記載用紙を作成した. 用紙は各病棟, 外来, 手術室などに配布し, アルブミンの請求伝票と共に薬剤部に提出することとした. アルブミンの使用量は薬剤部の出庫記録で確認した. 第1回調査は周知期間を考慮して2ヵ月間とした. 結果:調査用紙の回収率は第1回6...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 2002, Vol.48 (2), p.137-137
Hauptverfasser: 松崎浩史, 尾崎牧子, 松田幸子, 竹吉悟
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:愛媛県は全国でもアルブミン使用量の多い県の一つである. われわれはこの状況を反省し, まず, 当院のアルブミン使用状況を調査した. 対象と方法:2001年2月, 3月と, 2001年8月の計3ヵ月を調査期間とし, この間に当院でアルブミンを使用した患者を対象とした. 調査は主治医に対するアンケート方式で, 「血液製剤の使用指針」に則った使用理由記載用紙を作成した. 用紙は各病棟, 外来, 手術室などに配布し, アルブミンの請求伝票と共に薬剤部に提出することとした. アルブミンの使用量は薬剤部の出庫記録で確認した. 第1回調査は周知期間を考慮して2ヵ月間とした. 結果:調査用紙の回収率は第1回69%, 第2回100%であった. いずれの調査でもアルブミンの使用理由は低蛋白血症, 低アルブミン血症, 肝硬変, 出血が上位を占めた. アルブミンの使用量もこの4病態で全体の約90%を占めていた. 第1回調査後, アルブミンの使用量はそれまでの7.2kgから5.6kgに減少し, 第2回調査後さらに4.7kgに減少した. また, いずれの調査においても調査期間中のアルブミン使用量は減少し, 調査が終了すると漸増する傾向を示した. 考察:外科系での主なアルブミン使用理由は術中, 術後の低蛋白血症で, 内科系では肝硬変に伴う低アルブミン血症であった. 外科系診療科のアルブミン使用は第1回の調査によって減少したが, 肝硬変に対するアルブミン使用はそれぞれの主治医による経験的な使用理由があり著明な変化を示さなかった. 特に, 大量ではない腹水を持つ患者に対するアルブミンの使用基準はあいまいで, 今後EBMに基づく使用基準の作成が望まれる. また, 各病態において不適切な使用例も多数みられ, 医師一人一人にアルブミンを使用する意義を考えてもらうためにも, このような調査を行うことは意義があると思われた.
ISSN:0546-1448