O-018 HPA適合血小板製剤の供給について
血小板輸血患者で, 血小板輸血不応答となる原因の一つにHLA抗体はもとより, HPA抗体も重要な意味を持つことから, 我々は日常検査としてマイクロプレートを用いたmixed passive hemaggulutination(MPHA)法で患者血清とそのHLA適合血小板製剤との交差適合試験, HLA成分献血登録者(約15,000人)のHPAタイピングを行なっている. 血小板検査を開始した1989年以降のHPA適合血小板製剤適応症例について報告をする. HPA-2抗体については2b抗体保有患者38症例に供給してきたが, 2a抗体保有患者に適応する登録者数は少なく, 対応は困難であった. HPA-...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 2002, Vol.48 (2), p.135-135 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 血小板輸血患者で, 血小板輸血不応答となる原因の一つにHLA抗体はもとより, HPA抗体も重要な意味を持つことから, 我々は日常検査としてマイクロプレートを用いたmixed passive hemaggulutination(MPHA)法で患者血清とそのHLA適合血小板製剤との交差適合試験, HLA成分献血登録者(約15,000人)のHPAタイピングを行なっている. 血小板検査を開始した1989年以降のHPA適合血小板製剤適応症例について報告をする. HPA-2抗体については2b抗体保有患者38症例に供給してきたが, 2a抗体保有患者に適応する登録者数は少なく, 対応は困難であった. HPA-3抗体保有症例は, 母子不適合血小板減少症で重要視され2家系3症例に供給し, 輸血患者ではHLA抗体混在4症例の対応に苦慮した. HPA-4抗体保有症例は, 母子不適合血小板減少症に多く見られ, そのうち1症例に供給した. また輸血による抗体産生を疑う数症例にも遭遇した. HPA-5抗体は, 妊娠により産生され易いが臨床的に問題になるケースは少ない. しかし輸血患者で5a抗体単独保有症例には充分に対応出来なかった. HPA-6抗体は, 母子不適合血小板減少症の2家系3症例を経験しており, そのうち2症例は重篤であり治療が行われた. 1症例は血小板数7万程度であった. また, 最近輸血による抗体産生が疑われる症例にも遭遇した. Naka抗体は, 輸血患者で抗体を単独保有する1症例に供給し, 母子不適合血小板減少症での抗体産生症例も経験した. 現在, 血液製剤承認許可品目にHPA適合血小板製剤は含まれないが, 今回報告した症例から, HPA抗体保有患者に対してHPA適合血小板製剤は輸血効果を高める上で有用である. 今後, 成分献血登録者のHPAタイピングを勧め, HPA適合血小板の供給に対応する必要があろう. |
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ISSN: | 0546-1448 |