TTvimsの輸血後肝炎への関与

「目的」 1992年以降の輸血後肝炎(PTH)発生状況をモニターし, 輸血を介するTTVの感染と肝炎発症へのTTVの関与について検討した. 「方法」 1992~2000年6月に輸血された886例を対象にした. 肝炎の診断は. 1985年と1995年に設定された両基準に従じた. TTV DNAはN22プライマーでスクリーニング後, genotypeの測定と半定量を行った(自治医科大予防生態にて測定). 「成績」 PTH発症率は, 85年の基準で8例0.90%, 96年の基準で9例1.02%, いずれかの基準に該当するもの12例1.35%であった(平均輸血量5.0本). 両基準ともに該当した肝炎は...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 2001, Vol.47 (2), p.206-206
Hauptverfasser: 小西奎子, 前越大, 高岡幸子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」 1992年以降の輸血後肝炎(PTH)発生状況をモニターし, 輸血を介するTTVの感染と肝炎発症へのTTVの関与について検討した. 「方法」 1992~2000年6月に輸血された886例を対象にした. 肝炎の診断は. 1985年と1995年に設定された両基準に従じた. TTV DNAはN22プライマーでスクリーニング後, genotypeの測定と半定量を行った(自治医科大予防生態にて測定). 「成績」 PTH発症率は, 85年の基準で8例0.90%, 96年の基準で9例1.02%, いずれかの基準に該当するもの12例1.35%であった(平均輸血量5.0本). 両基準ともに該当した肝炎は5例に過ぎず, また11例のALT max値は300IU/L未満であり, いずれも軽度な肝機能異常であった. 12例は非B非C型であり, 2例がTTVキャリアで, 非TTVキャリアの66.6%(6/9例)にTTVの感染があった. 輸血対象者のTTVキャリア率は43.8%(89/203例), 感染率は52.3%(34/65例)であり, そのうちgenotype1型の感染は61.5%(16/26例)であった. 全donor血を検討した14例中10例はgenotypeが一致又は矛盾しなかった. 他の4例28.6%には陽性血の輸血はなかった. 輸血されたTTV DNA量と陽性化時期とは逆相関の傾向にあった. 未発症例は2~4週目に, 発症例の6~10週目より早期に陽性化した. 6例のTTV PTHは, 4例66.6%に糖尿病・1例に帯状疱疹の合併(計5例83.3%)があり, 4例が癌を原疾患とした. 一方, 23例の未発症例の糖尿病合併率は10例38.5%と少ない.
ISSN:0546-1448