I&Aの確立
I&A(Inspection and Accreditation)は医療機関における輸血業務および輸血療法が一定の水準で行われているか否かを, 第三者により点検し, 評価をしていくことを通じ, 全ての施設で「安全な適正な輸血療法」が実施されることを目的としたプログラムである. 平成11年に日本輸血学会I&A小委員会が発足し, 近畿支部では近畿の医療施設における現状を把握する目的でH11年にI&Aに関するアンケート調査を実施した. 調査は血液製剤供給量の80%を使用していると考えられる209施設を対象とし, 129施設から回答を得た(回収率61.7%). アンケート調査の...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | I&A(Inspection and Accreditation)は医療機関における輸血業務および輸血療法が一定の水準で行われているか否かを, 第三者により点検し, 評価をしていくことを通じ, 全ての施設で「安全な適正な輸血療法」が実施されることを目的としたプログラムである. 平成11年に日本輸血学会I&A小委員会が発足し, 近畿支部では近畿の医療施設における現状を把握する目的でH11年にI&Aに関するアンケート調査を実施した. 調査は血液製剤供給量の80%を使用していると考えられる209施設を対象とし, 129施設から回答を得た(回収率61.7%). アンケート調査の結果では, 輸血部門の設置は49%, 責任医師の任命は57%と, 約半数の医療機関で輸血業務管理体制が構築されていた. また輸血に関する検査は97%で職員の検査技師が行なっていたが, 輸血検査に関するマニュアルがあると回答した施設は70%弱であった. 対象施設が血液製剤使用量の多い施設であることを考えると低値であると思われた. 輸血療法委員会は82%の施設に設置されていたが, 機能しているか否か疑問のある施設もあり, 詳細な調査が必要と考えられた. また, 116施設はH12年にチェックリストを送付し67施設から回答があり現在解析中である. 日本輸血学会I&A小委員会としては, 今後, 全国共通の「I&Aのためのチェックリスト」, 「Accreditation Requirements Manual」の作成, およびInspectorの養成を行い, 全国共通のプログラムに基づいた「I&A」を実施する予定である. 近畿支部においても, 今後, チェックリストにもとづき, 各医療機関での問題点を検討し, 具体的なInspection実施に向けて活動していく予定である. 多くの施設がI&Aを受け入れ, 第三者によるチェックを受けることにより, 問題点を認識し, 改善するきっかけとなり, より安全な輸血医療が実施されることを期待したい. |
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ISSN: | 0546-1448 |