周術期の血小板数の変動と臨床的意義

目的:自己血貯血中の血小板(PLT)数, 及びMPV,PDW,PCTの変化が網赤血球(Ret)数の代用として造血能を反映し, 貯血継続の可否を予測する指標となり得るか, 特に鏡検による大型PLTの出現頻度との関係についてretrospectiveに検討した. 方法:初回貯血前Hb値が13g/dl未満で, 週1回400mlずつ計1,200mlの自己血貯血を行った患者のうち, EPO(18,000u/w)を使用した群(n=24)と, 未使用群(n=18)とで比較した. 血算, Ret,PLTと容積分布に関するパラメータは自動測定し, PLTサイズは鏡検で行った. 結果:PLT数は貯血期間, 徐々に...

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Hauptverfasser: 田崎哲典, 後藤健治, 藤井喜栄子, 佐藤淑子, 佐々木さき子, 高舘潤子, 上机美穂子, 伊藤忠一, 内田妙子
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:自己血貯血中の血小板(PLT)数, 及びMPV,PDW,PCTの変化が網赤血球(Ret)数の代用として造血能を反映し, 貯血継続の可否を予測する指標となり得るか, 特に鏡検による大型PLTの出現頻度との関係についてretrospectiveに検討した. 方法:初回貯血前Hb値が13g/dl未満で, 週1回400mlずつ計1,200mlの自己血貯血を行った患者のうち, EPO(18,000u/w)を使用した群(n=24)と, 未使用群(n=18)とで比較した. 血算, Ret,PLTと容積分布に関するパラメータは自動測定し, PLTサイズは鏡検で行った. 結果:PLT数は貯血期間, 徐々に増加し両群とも3回目貯血前値は初回前値に比し有意に(p<0.05)高値となった. しかし両群間で有意差は無かった. RetとPLTには弱い相関が見られた. PLTの増加に伴いPCTは上昇し, MPVは低下した. PDWは貯血期間, ほぼ横ばいであったが術後に漸増した. 鏡検所見(血小板1,000個をカウント)では, 5μm未満が99.3%, 5~7μmが0.6%, 7μを越えるPLTが0.1%であり, 貯血期間この割合は変化無かった. 術後は5~7μmのPLT数の割合が増加し(2%), PDWの漸増に反映されたと思われた. 結語:自己血貯血前の検体でPLT数や関連パラメータの結果が直ちに得られ, その特徴的推移から造血能を推測し貯血に有用と思われた. なお大型PLTの出現はその産生亢進を示し, 特にPDWに反映されるのではないかと期待したが, 貯血中はその変化はなく, 鏡検でもそれが裏付けられた.
ISSN:0546-1448