Thrombopoietin(TPO)の造血幹細胞に対する効果

目的:造血幹細胞の純化法が確立し, SCF(stem cell factor)など幹細胞に作用するサイトカインの報告がされ, 造血幹細胞をEx vivoで増幅させる研究が盛んに行われている. 一方, TPO(thrombopoietin)は巨核球血小板に作用するサイトカインとして同定されたが, 血液前駆細胞に対しても働くことがわかっている. そこでマウスの骨髄から純化してきた造血幹細胞を用いて, TPOに対する効果を検討した. 方法及び結果:5-FU処理したマウス骨髄細胞よりFACSを用い, 造血幹細胞としてLin-(Lineage negative), Sca-1+, c-kit+細胞を分離...

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Hauptverfasser: 米村雄士, 山口一成, 福吉葉子, 中満三容子, 吉木景子, 岡部紘明, 下村泰三, 河北誠, 満屋裕明
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:造血幹細胞の純化法が確立し, SCF(stem cell factor)など幹細胞に作用するサイトカインの報告がされ, 造血幹細胞をEx vivoで増幅させる研究が盛んに行われている. 一方, TPO(thrombopoietin)は巨核球血小板に作用するサイトカインとして同定されたが, 血液前駆細胞に対しても働くことがわかっている. そこでマウスの骨髄から純化してきた造血幹細胞を用いて, TPOに対する効果を検討した. 方法及び結果:5-FU処理したマウス骨髄細胞よりFACSを用い, 造血幹細胞としてLin-(Lineage negative), Sca-1+, c-kit+細胞を分離した. 100個の細胞を種々のcytokine単独存在下で, 96wellのプレートで液体培養し, 7日後の細胞数をcountした. SCF,TPO,IL-3の順に細胞は維持または増幅された. G-CSF,IL-11, IL-6, LIF,EPOでは数個残存, GM-CSF,M-CSF,IL-1では全て死滅した. 最もdormantと考えられている, Lin-, Sca-1+, c-kit+, CD34-細胞について, SCF,TPO,IL-3単独添加, 4日間液体培養後, 細胞数をcountし, その中のCFU-C数をメチルセルロース法により検討した. TPO単独添加で細胞は維持され, 高率にcolony形成能を有していて, その活性はSCFと同程度であった. また, コロニー形成能をあまり含まない, やや分化したと考えられるLin-, Sca-1-, c-kit+細胞に対しては, IL-3により増殖したがTPOの効果はなかった. さらに, ヒト臍帯血から分離したLin-細胞についても検討したが, TPOはSCFと同様の増殖効果を認めた. 結語:TPOは造血幹細胞に対して増殖刺激効果を示し, 幹細胞増幅への応用の可能性が示唆された.
ISSN:0546-1448