HIV抗体陽性・Western Blot判定保留を示したHIV感染初期症例
臨床的に伝染性単核球症様症状を呈し, その後田V抗体陽性・Western Blot判定保留という感染初期像を観察し得たHIV感染症例を経験したので報告する. 症例は28歳, 独身男性. 1999年7月はじめより倦怠感, 発熱をきたし, 某病院受診. 頚部リンパ節腫脹と白血球減少を認め, 伝染性単核球症と診断され, 抗菌剤と解熱剤の投与を受け, 症状は一時改善. しかし, 7月19日頃より下口唇, 左頬部にかけての有痛性腫脹をきたし7月22日当院口腔外科受診. 受診時, 体温37.4℃, 舌の白苔, オトガイ部から左頬部にかけての有痛性腫脹, 頚部リンパ節腫脹を認めた. 主治医は, ウイルス感染...
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Zusammenfassung: | 臨床的に伝染性単核球症様症状を呈し, その後田V抗体陽性・Western Blot判定保留という感染初期像を観察し得たHIV感染症例を経験したので報告する. 症例は28歳, 独身男性. 1999年7月はじめより倦怠感, 発熱をきたし, 某病院受診. 頚部リンパ節腫脹と白血球減少を認め, 伝染性単核球症と診断され, 抗菌剤と解熱剤の投与を受け, 症状は一時改善. しかし, 7月19日頃より下口唇, 左頬部にかけての有痛性腫脹をきたし7月22日当院口腔外科受診. 受診時, 体温37.4℃, 舌の白苔, オトガイ部から左頬部にかけての有痛性腫脹, 頚部リンパ節腫脹を認めた. 主治医は, ウイルス感染症を疑い諸検査を施行したところ, PA法によるHIV抗体検査は128倍と陽性であったが, Western Blot(WB)法ではgp160bandのみ認め, WHOの判定基準では, 判定保留であった. 約1カ月後の8月30日に再検したところPA法陽性(1024倍)・WB法にてgp160, gp120及びgp41のbandを認め, HIV感染症と確定診断した. 後に測定したPCRによるHIV-RNA量は, PA法によるHIV抗体検査陽性であった7月22日に既に1.4×10^4 oopy/mlであり, 確定診断した8月30日には5.7×10^3 oopy/mlと自然減少した. さらに, コンビビルとネルフィナビルによる治療開始後1か月を経た10月8日には6.4×10^2 copy/mlと著減した. 「結語」本症例は, mV感染初期より経過観察し得た貴重な症例である. またHIV抗体陽性, Westem Blot判定保留というHIV感染が疑われる場合は, PCRによるHIV-RNA量検査も同時に行い, 早期に確定診断し早期治療につなげることが大切である. |
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ISSN: | 0546-1448 |