整形外科手術患者における凝固・線溶能の変化
「目的」整形外科手術後には血栓症の頻度が高いことが報告されている. エリスロポエチン(rEPO)併用自己血輸血を行った股関節手術後の肺塞栓症も散見されている. 整形外科手術患者を対象に行ったrEPOの第IV相試験の結果, 自己血貯血とrEPO投与は術前の凝固・線溶能に影響を与えないことが立証された. ところが, 第IV相試験は術前だけの検討であった. そこで今回, 術前・術後の凝固・線溶能の変化に対して, 自己血輸血とrEPOの影響を検討したので報告する. 「方法」対象:股関節手術27例, 人工膝関節置換術8例, 脊椎手術5例, その他3例の43例(男13, 女30,17-92歳). 採血・貯...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 2000, Vol.46 (2), p.164-164 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」整形外科手術後には血栓症の頻度が高いことが報告されている. エリスロポエチン(rEPO)併用自己血輸血を行った股関節手術後の肺塞栓症も散見されている. 整形外科手術患者を対象に行ったrEPOの第IV相試験の結果, 自己血貯血とrEPO投与は術前の凝固・線溶能に影響を与えないことが立証された. ところが, 第IV相試験は術前だけの検討であった. そこで今回, 術前・術後の凝固・線溶能の変化に対して, 自己血輸血とrEPOの影響を検討したので報告する. 「方法」対象:股関節手術27例, 人工膝関節置換術8例, 脊椎手術5例, その他3例の43例(男13, 女30,17-92歳). 採血・貯血:9例を除く34例は週1回自己血貯血(総貯血量:400-2,400mL)を行い, rEPOを24例に併用. 検討項目:凝固・線溶系のマーカーとして, TAT(基準値:3.0μg/L以下)およびDダイマー(基準値:1.0μg/mL以下)を貯血開始時, 手術直前, 手術翌日, 術後1週, 術後2週, 術後4週の6時点で測定し, rEPO使用自己血群(24例), rEPO非使用自己血群(10例), 非自己血群(9例)で検討. |
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ISSN: | 0546-1448 |