近畿12大学病院におけるABO血液型異型輸血の報告

輸血副作用のなかで溶血性輸血副作用, とくにABO血液型不適合輸血(異型輸血), は最も重篤な輸血副作用の一つである. 異型輸血は輸血副作用ではあるが, その多くは医療過誤が原因であるという一面をもっている. 輸血医療に従事するスタッフはABO異型輸血を起こさないよう十分注意する必要がある. また輸血部や輸血療法委員会など院内の輸血システムを管理しているスタッフは異型輸血が起こらないよう日頃より防止対策を立てていく必要がある. 異型輸血防止対策を立てるに際して, まず最初に異型輸血の正確な頻度, 原因の把握が重要と考えられる. しかしながら, 異型輸血の実態についての調査報告は非常に少なくその...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 2000/02/01, Vol.46(1), pp.17-22
Hauptverfasser: 倉田, 義之, 清川, 知子, 青地, 寛, 永峰, 啓丞, 林, 悟, 押田, 眞知子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:輸血副作用のなかで溶血性輸血副作用, とくにABO血液型不適合輸血(異型輸血), は最も重篤な輸血副作用の一つである. 異型輸血は輸血副作用ではあるが, その多くは医療過誤が原因であるという一面をもっている. 輸血医療に従事するスタッフはABO異型輸血を起こさないよう十分注意する必要がある. また輸血部や輸血療法委員会など院内の輸血システムを管理しているスタッフは異型輸血が起こらないよう日頃より防止対策を立てていく必要がある. 異型輸血防止対策を立てるに際して, まず最初に異型輸血の正確な頻度, 原因の把握が重要と考えられる. しかしながら, 異型輸血の実態についての調査報告は非常に少なくその実態は不明な点が多い. 米国においては輸血により死亡した場合, FDAへ報告する制度がある. その報告1)によると1976年~1985年の10年間での異型輸血による死亡は131件であったとしている. わが国においてもアンケート調査が行われている. 平成6年度に行われた全国規模でのアンケート調査2)によると(全国の血液製剤使用量が多い981施設より回答を得ている), 1施設あたり年に0.11回異型輸血が起こっているとしている.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.46.17