血小板製剤のAMT/UVAウイルス不活化法におけるルチンの効果
検査技術の向上によって輸血後ウイルス感染は著しく減少したが, 現行のスクリーニング検査ではウインドウピリオド期および未知のウイルスを検出することはできないため, ウイルス感染を完全に防止することは難しい. そこで血液製剤の安全性をさらに高めるには, 『ウイルスの不活化』が必要であり, すでに血漿分画製剤では, ウイルス不活化法として加熱処理やsolvent/detergent処理(S/D処理)が施行され, 高い安全性が保証されている. また血漿製剤では, S/D処理あるいはメチレンブルー光処理が欧米諸国で実施され1)2), わが国でも導入に向けて準備が進められている. 一方, 細胞成分の血液製...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1999/10/01, Vol.45(5), pp.605-610 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 検査技術の向上によって輸血後ウイルス感染は著しく減少したが, 現行のスクリーニング検査ではウインドウピリオド期および未知のウイルスを検出することはできないため, ウイルス感染を完全に防止することは難しい. そこで血液製剤の安全性をさらに高めるには, 『ウイルスの不活化』が必要であり, すでに血漿分画製剤では, ウイルス不活化法として加熱処理やsolvent/detergent処理(S/D処理)が施行され, 高い安全性が保証されている. また血漿製剤では, S/D処理あるいはメチレンブルー光処理が欧米諸国で実施され1)2), わが国でも導入に向けて準備が進められている. 一方, 細胞成分の血液製剤である血小板製剤(plateletconcentrates;PC)および赤血球製剤では, ウイルス核酸を標的とした不活化法が最も有効と考えられ, PCでは主にソラレン類と紫外線A(ultraviolet A:UVA), 赤血球製剤ではフタロシアニン類などの光増感物質と可視光の組み合わせが検討されている. これらの不活化処理によって, 細胞内および細胞外のウイルスを不活化できること, また活性酸素スカベンジャーの添加によって, 不活化処理時に発生する活性酸素による血小板や赤血球機能の障害を効果的に防ぐことが報告されているが3)4), 実用化には至っていない. そこで今回われわれは, PCでのウイルス不活化法の開発を目的として, ソラレン類の一つである4’-aminomethyl-4,5’, 8-trimethylpsoralen(AMT)とUVAを用いて, vesicular stomatitis virus(VSV)の不活化効果と血小板機能への影響について, 活性酸素スカベンジャーの一種であるrutin添加による効果を含めて検討したので報告する. |
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ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
DOI: | 10.3925/jjtc1958.45.605 |