コンサルテーション活動を通じた適正輸血の推進

【目的】当センター(486床, 医師数110名)において輸血部開設時のアンケート調査で最も多い要望は輸血に関するコンサルテーションであった. そこで1年半にわたり行ってきたコンサルテーション活動の内容を分析し, 輸血の適正化に果たしている役割りについて検討した. 【方法】平成9年4月1日から平成10年10月31日の間にあった依頼119件を対象とした. コンサルテーションは輸血部医師1名が単独で行い, 依頼された内容とそれに対する対応はその都度書面にて記録を残した. 【結果】コンサルテーションの内容は, 輸血療法が44件(37%), 輸血検査が30件(25%), 輸血の取り扱いが14件(12%)...

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Hauptverfasser: 田中朝志, 杉山公操絵, 長澤啓子, 増田和子, 上原和, 伊藤利一, 福武勝幸
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】当センター(486床, 医師数110名)において輸血部開設時のアンケート調査で最も多い要望は輸血に関するコンサルテーションであった. そこで1年半にわたり行ってきたコンサルテーション活動の内容を分析し, 輸血の適正化に果たしている役割りについて検討した. 【方法】平成9年4月1日から平成10年10月31日の間にあった依頼119件を対象とした. コンサルテーションは輸血部医師1名が単独で行い, 依頼された内容とそれに対する対応はその都度書面にて記録を残した. 【結果】コンサルテーションの内容は, 輸血療法が44件(37%), 輸血検査が30件(25%), 輸血の取り扱いが14件(12%), 自己血13件(11%), インフォームドコンセントが7件(6%), 副作用が5件(4%), その他が7件(6%)であった. 医師からの依頼59件中多かったものは, 輸血療法(29件), 輸血検査(8件), 自己血(8件)などであったが, 輸血療法では特定の症例や制約のある条件下での適切な輸血方法についての問い合わせが目立った. 検査技師からの依頼30件の中では検査方法(17件), 輸血療法(10件)が多かったが, 前者のうち時間外に関するものが12件(71%)を占めた. 看護婦からの依頼17件の中では輸血の取り扱い(11件)についてが多かった. 平成8年から9年にかけての血液製剤の使用量は全血が296→120単位, 赤血球MAPが6772→6806単位, FFPが5230→4626単位, 血小板が17595→17065単位, 自己血が168単位→339単位へと推移した. 【考察およびまとめ】短期間のコンサルテーション活動は病院全体の適正輸血の推進という点では効果は限られていた. しかし, 医師をはじめとする診療スタッフとの信頼関係の醸成には重要な役割りを果たしており, 今後も継続するべきと思われた. また副次的なメリットとして, 直接対話により輸血療法に関わる現場の状況を把握できるという点が挙げられた.
ISSN:0546-1448