成分採血と生体反応
先の本学会において, 血中サイトカインIL-6及び急性相反応物質IAPを指標に成分採血前後における初回者群と頻回者群について検討を加え, 頻回者群においては採血前後IL-6/の変動がみられなかったものの, 若年女性初回者群においてはIL-6の増加傾向がみられた. これに対し, IAPについては初回者群及び頻回者群のいずれにおいても採血後減少傾向がみられた. 目的及び方法:そこで今回は, これら指標の採血前後の動きを成分採血機種, 採血時間(N-N時間), 処理量及び採取量との関係から検討を加えた. 検討対象は成分採血者73例で, これを初回者群(n=29)と頻回者群(n=44)とに分け, 成分...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 先の本学会において, 血中サイトカインIL-6及び急性相反応物質IAPを指標に成分採血前後における初回者群と頻回者群について検討を加え, 頻回者群においては採血前後IL-6/の変動がみられなかったものの, 若年女性初回者群においてはIL-6の増加傾向がみられた. これに対し, IAPについては初回者群及び頻回者群のいずれにおいても採血後減少傾向がみられた. 目的及び方法:そこで今回は, これら指標の採血前後の動きを成分採血機種, 採血時間(N-N時間), 処理量及び採取量との関係から検討を加えた. 検討対象は成分採血者73例で, これを初回者群(n=29)と頻回者群(n=44)とに分け, 成分採血前及び直後における血清についてIL-6(R&Dシステム社), 及びIAP(三光純薬社)について, それぞれの採血後値/採血前値比(A/B比)を以て検討を加えた. 結果:まず, 1)採血機種として, Multi, MCS(HAEMONETICS社), Amicus(Baxter社)及びSpectra(COBE社), を選び検討したが, IL-6値については, いずれの機種においても軽度増加, またIAP値に関しては減少を示す成績が得られた. 次に, 2)N-N時間との関係についてみると, 各群においてIL-6及びIAP値A/B比いずれも相関はみられなかった. 3)処理量と採取量との関係についてみるとIL-6値A/B比は処理量の如何を問わず各群男性例において恒常的数値を示しているに対し, 女性例においては各群とも処理量が一定化しているも, 高A/B比を示す例が多くみられ, 同様な傾向は採取量にもみられた. 一方値A/B比においてはA/B比の低下がみられ, これらは各群とも処理量と類似のパターンとして示された. 結語:成分採血の生体への影響について検討を加えた. その結果, 処理量及び採取量についてはやや関連性が伺われるものの有意の差ではない. 特に採血自体の短時間の操作でのIL-6値の反応性に対し, 成分採血後にみられたIAP,値低下は急性相反応としての指標とみるよりは採取量との関連を示すものと考えられる. |
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ISSN: | 0546-1448 |