カラム凝集法(Bio Vue)を用いた不規則抗体検査における血清検体と血漿検体の比較

【目的】輸血検査においてもゲル法, カラム法などの新しい検査法が開発され, 自動化への道が開かれた. 自動化を視野に入れた場合, その効率的な運用に血漿検体の使用が必要となるが, 輸血検査では補体結合性の抗体の検出を目的として長い間血清検体を用いて来たため, 血漿検体の使用に踏み切れないところである. 今回, カラム法(Bio Vue〕を用いた不規則抗体検査において, 血清検体と血漿検体の比較を行ない, 血漿検体使用の可能性を検討した. 【方法】(1)対象:試験管法(プロメリン1段法, PEG・クームス法〕で検出同定され, 同日採血の血清検体と血漿検体(EDTA加一部ヘパリン加)の入手が可能で...

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Hauptverfasser: 亀山澄子, 植田貴子, 高橋亜紀子, 吉野早恵子, 橋本政子, 野本剛史, 里村克章
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】輸血検査においてもゲル法, カラム法などの新しい検査法が開発され, 自動化への道が開かれた. 自動化を視野に入れた場合, その効率的な運用に血漿検体の使用が必要となるが, 輸血検査では補体結合性の抗体の検出を目的として長い間血清検体を用いて来たため, 血漿検体の使用に踏み切れないところである. 今回, カラム法(Bio Vue〕を用いた不規則抗体検査において, 血清検体と血漿検体の比較を行ない, 血漿検体使用の可能性を検討した. 【方法】(1)対象:試験管法(プロメリン1段法, PEG・クームス法〕で検出同定され, 同日採血の血清検体と血漿検体(EDTA加一部ヘパリン加)の入手が可能であった30件, 31抗体. (抗E9例, 抗D1例, 抗c1例, 抗C+e1例, 抗Lea4例, 抗Leb2例, 抗Fya1例, 抗Fyb3例, 抗Jka2例, 抗jkb1例, 抗S1例, 抗M1例, 抗Dia3例, 不明1例)(2)方法:Bio Vue(オーソ社)を用いて, クームス法, プロメリン1段法またはフィシン2段法を行なった. 【結果】(1)クームス法:比較した30例中, 血清, 血漿が共に陽性18例(60.0%), 陰性7例(23.3%), 一致率93.3%であった. 血清と血漿が共に陰性であった7例(抗E5例, 抗Lea2例)は全てフィシン2段法で検出されている. 血清で陰性, 血漿で陽性を示したものは3例(10.0%)で抗Fyb2例, 抗c1例であった,血清で陽性,血漿で陰性を示したものは2例(6.7%)で抗Lebl例, 不明1例であった. (2)ブロメリン1段法;比較した19例中, 血清, 血漿共に陽性6例(31.6%1, 陰性13例(68.4%)で全て一致した. 陰性13例中, 不明の1例を除く12例は, 全てクームス法またはフィシン2段法で検出されている. (3)フィシン2段法:比較した18例中, 血清, 血漿共に陽性16例(88.9%), 陰性2例(11.1%)で全て一致した. 陰性の2例(抗JKbl例, 抗El例)はクームス法で検出されている. 【考察】血清で検出され, 血漿で検出されなかった抗体には, 不明抗体があった. 一方, 血漿で検出され, 血清で検出されなかった抗体には, 抗Fybがあった. カラム法を用いた不規則抗体検査において, 血漿検体の使用が可能であることが示唆された.
ISSN:0546-1448