ヒトパルボウイルスB19陽性者の追跡調査

ヒトパルボウイルスB19(以下B19)は輸血, 及び血漿分画製剤を介して感染することが知られている. 血液センターでは, 現在試験的に自動輸血検査装置PK7200(オリンパス)を用いて, Receptor-mediated Hemagglutination(RHA)法によりB19抗原スクリーニングを実施している. 今までに, 感染後4ヶ月を経過するとB19DNAは血液中から検出されなくなる報告があるが, 一方では, 12ヶ月後もまだ検出されている報告もある. 今回我々は, 九州ブロックの血液センターにおいてRHA法陽性となったリピートドナー41例について, B19DNAを追跡した結果を報告する...

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Hauptverfasser: 横田聡子, 松本浩二, 桐山佳子, 高倉文博, 佐藤博行, 前田義章
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ヒトパルボウイルスB19(以下B19)は輸血, 及び血漿分画製剤を介して感染することが知られている. 血液センターでは, 現在試験的に自動輸血検査装置PK7200(オリンパス)を用いて, Receptor-mediated Hemagglutination(RHA)法によりB19抗原スクリーニングを実施している. 今までに, 感染後4ヶ月を経過するとB19DNAは血液中から検出されなくなる報告があるが, 一方では, 12ヶ月後もまだ検出されている報告もある. 今回我々は, 九州ブロックの血液センターにおいてRHA法陽性となったリピートドナー41例について, B19DNAを追跡した結果を報告する. 【対象と方法】1995年9月~1998年6月までに九州ブロックの血液センターにおいてRHA法陽性となり, その後4ヶ月以上追跡が可能であった献血者を対象に, 調査した. B19DNAの検出は, B19橋造蛋白VP1領域をコードするプライマーを用いたnested PCR法で行った. 【結果】今回追跡した41例について, B19DNAが陰性となるまで追跡できたのは6例で, このうち最も早いもので295日, 最長では572日には陰性となった. また, 4ヶ月以内にB19DNAが陰性となったケースは1例もなかった. 【まとめ】今回のヒトパルボウイルスB19感染者の追跡調査より, B19DNAが感染者の血液中から消失するまでには, ほとんどの場合1年以上の期間を要すると考えられた. 今までの報告よりも長い期間B19DNAが検出された原因の1つとしては, 検出感度の差によるものが考えられるが例数が少ないため, 追跡中の35例についても, その後の追跡結果を合わせて報告するつもりである.
ISSN:0546-1448