貯血前血小板値は自己血貯血時の個々の造血予備能を反映する
術前の自己血貯血に対する造血予備能は個人差が大きく, 大量の貯血は必ずしも容易ではない. 今回我々は, より的確で効率的な貯血のため, 造血予備能を予測することが可能かについて検討した. 対象と方法;当院輸血部にて98年1月から8月末までの期間に貯血を開始した20歳以上の患者で, 総循環血液量の10%前後を一回貯血量とし, 原則として一週間毎に3回以上貯血を行なった74例を対象とした. 感染や発熱が認められる例や腎不全例は除かれている. 個々の例で条件が異なるため, 独自の基準でその予備能を4群(良好な方から順にA, A^1 , B, C)に分け, 年令, 貯血前ヘモグロビン値, 貯血貯血前血...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 術前の自己血貯血に対する造血予備能は個人差が大きく, 大量の貯血は必ずしも容易ではない. 今回我々は, より的確で効率的な貯血のため, 造血予備能を予測することが可能かについて検討した. 対象と方法;当院輸血部にて98年1月から8月末までの期間に貯血を開始した20歳以上の患者で, 総循環血液量の10%前後を一回貯血量とし, 原則として一週間毎に3回以上貯血を行なった74例を対象とした. 感染や発熱が認められる例や腎不全例は除かれている. 個々の例で条件が異なるため, 独自の基準でその予備能を4群(良好な方から順にA, A^1 , B, C)に分け, 年令, 貯血前ヘモグロビン値, 貯血貯血前血小板値, 網状赤血球等との関連について検討した. 結果;1, 年令や疾患の状態と造血予備能との関連は認めなかった. 2, 血小板値の高い例ほど, 造血予備能不良を示していた. 3, 貯血前網状赤血球値の高い例は, 血小板前値も高い場合と低い場合の2群が認められ, 血小板前値の高値を伴っている場合, 造血予備能が低い傾向が認められた. 4, 血小板増加率(△plat)が大きい例ほど造血予備能が良好となる傾向が認められたが, △platが6万以上では逆に造血予備能不良群の増加が認められた. 結論;貯血前血小板値の高い例においては, 一回貯血量を少な目にしたり, 貯血間隔をあけたり, 早期よりEpoを検討するなどの配慮が必要であり, これによりより効率的な自己血貯血が可能となると思われる. |
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ISSN: | 0546-1448 |