血小板輸血時にアナフィラキシー症状を呈した3症例
白血球除去フィルター(WCRF)を使用した血小板(PC)輸血時にアナフィラキシー症状を示した3症例を経験したので報告する. 【症例】症例1:初回地固め療法中のMixed lineage leukemiaの36歳男性. エノシタピンによるアナフィラキシーショックの既往あり. 膜陽性荷電WCRF使用時副作用はなかったが, 平成8年4月, 膜陰性荷電WCRF使用2回目に全身チアノーゼ・血圧低下・意識消失などのショック症状が出現. 昇圧剤・ソルメドロール投与にて改善し, WCRFを用いずに輸血を終了. 翌日洗浄PC輸血時も即時型アレルギー(咳そう・呼吸困難)が出現. WCRFを使用せず再開し無事終了....
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Zusammenfassung: | 白血球除去フィルター(WCRF)を使用した血小板(PC)輸血時にアナフィラキシー症状を示した3症例を経験したので報告する. 【症例】症例1:初回地固め療法中のMixed lineage leukemiaの36歳男性. エノシタピンによるアナフィラキシーショックの既往あり. 膜陽性荷電WCRF使用時副作用はなかったが, 平成8年4月, 膜陰性荷電WCRF使用2回目に全身チアノーゼ・血圧低下・意識消失などのショック症状が出現. 昇圧剤・ソルメドロール投与にて改善し, WCRFを用いずに輸血を終了. 翌日洗浄PC輸血時も即時型アレルギー(咳そう・呼吸困難)が出現. WCRFを使用せず再開し無事終了. 約1ヶ月後, Prestorage白血球除去PCをWCRF使用にて輸血したが即時型アレルギー(鼻閉感・頚部紅潮)が出現した. 一旦投与中止後, 同じWCRFを用い再投与したが無症状で終了し得た. 症例2;非寛解状態の急性骨髄性白血病(M2)の22歳男性, アレルギー歴なし. 平成9年9月, PC輸血開始1~2分後に悪心嘔吐・呼吸困難・全身チアノーゼ・血圧低下などの症状が出現. ソルコーテフの追加投与にて症状改善. 以後WCRFを使用せずPC輸血を継続した. 約1年後の再発時に膜中性荷電のWCRFを使用しPC輸血を施行したが副作用は認めなかった. 症例3;非寛解状態の急性骨髄性白血病(M2)の67歳男性. ACE阻害剤服用中. 平成10年8月, PC80単位目の輸血開始直後に呼吸困難, 上半身冷汗, 軽度の血圧低下などの症状が出現. 1時間30分後, WCRFを膜中性荷電型に変更してソルコーテフを追加投与し, 同一PCの輸血を施行したが無症状で終了した. 【結語】血小板のWCRF通過時にアナフィラキシー症状誘発物質が発生した可能性が考えられ, フィルター膜の陰性電荷の関与が疑われたが原因は明らかでない. 血小板輸血時は, より注意深い患者観察が必要である. |
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ISSN: | 0546-1448 |