非溶血性輸血副作用の発生状況及び対策に関するアンケート調査結果
【目的】輸血療法には常に副作用や合併症を引き起こす危険性があり, 溶血性輸血副作用や輸血感染症以外にも, 非溶血性の副作用を起こすことが知られている. 非溶血性輸血副作用の発生状況やその予防法の実態を調査し, 今後の副作用の防止対策を講ずる上での参考とする目的で, 近畿支部会に所属するいくつかの病院に過去2年間(96~97年度)についてアンケート調査を行なった. 【結果】回収率は68.8%(33/48), 総副作用発生件数は1,373例であった. 蕁麻疹や発熱反応が最も多くを占めたが, 治療を要した例は約7%程度であり, 抗ヒスタミン剤・ステロイド等の薬剤投与や白血球除去フィルターの使用により...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , , , , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【目的】輸血療法には常に副作用や合併症を引き起こす危険性があり, 溶血性輸血副作用や輸血感染症以外にも, 非溶血性の副作用を起こすことが知られている. 非溶血性輸血副作用の発生状況やその予防法の実態を調査し, 今後の副作用の防止対策を講ずる上での参考とする目的で, 近畿支部会に所属するいくつかの病院に過去2年間(96~97年度)についてアンケート調査を行なった. 【結果】回収率は68.8%(33/48), 総副作用発生件数は1,373例であった. 蕁麻疹や発熱反応が最も多くを占めたが, 治療を要した例は約7%程度であり, 抗ヒスタミン剤・ステロイド等の薬剤投与や白血球除去フィルターの使用により対応している施設が多かった. アナフィラキシー(様), 呼吸困難, 血圧低下は発症件数は少ないが, 治療を要した例は70%以上であった. 原因製剤別では血小板が多かったが, 輸血回数との間に有意な相関を認めなかった. 放射線照射血は全施設で, GVHD予防目的で使用されており, その有効期限は血液製剤のものと同じである場合が多いが, 高K血漿による心停止を認めた例もあり注意を要すると考えられた. 白血球除去フィルターは85%の施設で, 抗白血球抗体の産生や発熱の防止目的で使用されていたが, GVHD予防のためとの回答も一部の施設にあった. 血小板製剤で特に多く用いられ, 使用時は血圧低下やアナフィラキシーなどの副作用に注意を要すると思われた. 洗浄製剤は91%の施設で, アレルギーや発熱の防止を目的として使用されていたが, 一部の施設で抗白血球抗体の産生やGVHDの予防で用いているケースも見受けられた. 血液製剤に洗浄製剤が占める割合は各施設とも非常に低かった. 非溶血性輸血副作用の原因に関する検査は, 血液センターに依存するところが大きいと考えられた. 【結語】副作用及びその対策については, 概ね理解されているが, その副作用防止のための検査, 管理体制においてはより一層の充実が望まれると考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0546-1448 |