末梢血CD34陽性細胞におけるAC133の発現についての検討

【目的】AC133は造血幹細胞や前駆細胞の新しいマーカーとして1997年に報告され注目されている. 今回我々は, G-CSF単独及び化学療法とG-CSFで動員された末梢血幹細胞におけるCD34陽性細胞分画中のAC133の発現をflow cytometryにより測定し, 正常骨髄, 臍帯血と比較検討したので報告する. 【対象および方法】対象は当院で幹細胞採取をおこなった正常人ドナー4名及び自己末梢血幹細胞採取をおこなった12名. PBSCは, 健常人ドナーにG-CSF10μg/kg/dayを皮下投与しday4に採取し, 自己末梢血幹細胞採取は動員化学療法後, nadirの時点より連日G-CSF皮...

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Hauptverfasser: 平松靖史, 角南一貴, 堀敬恵, 浅野尚美, 小郷博昭, 竹中克斗, 品川克至, 池田和眞, 原田実根
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】AC133は造血幹細胞や前駆細胞の新しいマーカーとして1997年に報告され注目されている. 今回我々は, G-CSF単独及び化学療法とG-CSFで動員された末梢血幹細胞におけるCD34陽性細胞分画中のAC133の発現をflow cytometryにより測定し, 正常骨髄, 臍帯血と比較検討したので報告する. 【対象および方法】対象は当院で幹細胞採取をおこなった正常人ドナー4名及び自己末梢血幹細胞採取をおこなった12名. PBSCは, 健常人ドナーにG-CSF10μg/kg/dayを皮下投与しday4に採取し, 自己末梢血幹細胞採取は動員化学療法後, nadirの時点より連日G-CSF皮下投与しおこなった. 採取したPBSCはCD34, AC133, CD45にて三重染色後flow cytometryにて解析し, 正常骨髄5名, 臍帯血2名での発現と比較した. 【結果】CD34陽性細胞分画中のAC133の発現は正常人ドナーで中央値67.2%(44.4-83.9), 自己末梢血幹細胞採取症例で中央値77.0%(54.6-92.6), 正常骨髄で中央値43.6%(24.2-56.2), 臍帯血で中央値75.6%(69.0-82.1)であった. CD34陽性細胞分画中のAC133の発現は正常骨髄で少なかった. 【考察】G-CSF単独及び化学療法で動員された末梢血幹細胞におけるCD34陽性細胞分画中のAC133の発現は症例によってばらつきがみられたが中央値の比較では明らかな差はみられなかった. AC133はCD34と異なり, 血管内皮細胞やmyeloid leukemia cell line KG1aには発現しないことより, G-CSF単独及び化学療法で動員された末梢血幹細胞においてもAC133は末梢血幹細胞採取時の新たな指標になりうると思われた.
ISSN:0546-1448