同種免疫性血小板減少症により, 胎児頭蓋内出血をきたしたBernard-Soulier症候群合併妊娠

[背景]Bernard-Soulier症候群は出血時間の延長と巨大血小板の出現を特徴とする常染色体劣性遺伝の出血性疾患で, 血小板膜糖蛋白質1bの欠損または機能異常により血小板粘着能の低下を引き起こし出血傾向を呈する. 妊娠中は消化管出血や頚管熟化に伴う性器出血が持続し, また産後2, 3週後に性器出血を起こす傾向がある. [症例]26才, 0妊0産. Bernard-Soulier症候群を合併, 妊娠後期に広範囲な抗血小板抗体, 抗HLA抗体, 抗E抗体が出現. 妊娠35週時に同種免疫性血小板減少症によると思われる胎児頭蓋内出血を起こした. 胎児心拍数モニタリングで胎動に一致したoversh...

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Hauptverfasser: 本田信也, 高野芳正, 藤森敬也, 大川敏昭, 柳田薫, 佐藤章, 大戸斉, 氏家二郎
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:[背景]Bernard-Soulier症候群は出血時間の延長と巨大血小板の出現を特徴とする常染色体劣性遺伝の出血性疾患で, 血小板膜糖蛋白質1bの欠損または機能異常により血小板粘着能の低下を引き起こし出血傾向を呈する. 妊娠中は消化管出血や頚管熟化に伴う性器出血が持続し, また産後2, 3週後に性器出血を起こす傾向がある. [症例]26才, 0妊0産. Bernard-Soulier症候群を合併, 妊娠後期に広範囲な抗血小板抗体, 抗HLA抗体, 抗E抗体が出現. 妊娠35週時に同種免疫性血小板減少症によると思われる胎児頭蓋内出血を起こした. 胎児心拍数モニタリングで胎動に一致したovershootを伴うvariable decelerationが出現, その後variability消失しnon-reactive patternを示した. 適合する血小板がないため, 同種免疫による抗体産生の抑制目的にγ-globulinの大量療法とsteroid-pulse療法を施行し, fibrinogen製剤を用いて予定帝王切開術, 単純子宮全摘術を慎重に行った. 易出血性であったが止血は比較的容易で, 出血量は2375mlであった. 新生児は男児3029g, hydrocephalusであった. 血小板数は9000/μlでapgar-s1→1, 同日死亡した. [考察]本症例はきわめて稀な疾患であり, これまでに本症候群の分娩報告例は11例しかない. また胎児頭蓋内出血をおこした時期にとられた胎児心拍数モニタリングの報告はほとんどないので報告する.
ISSN:0546-1448