当院における認定輸血検査技師の役割

平成7年に発足した認定輸血検査技師制度は, 施設内外を問わず, 輸血医学に関する広範な知識とハイレベルな輪血検査技術並びに的確な判断力により, 輸血療法の安全性の向上に寄与することができる技師の育成を目的としている. 我々(認定技師5名)は協議会の目標を念頭に, 施設内・地域での活性化を図るために模索していることについて報告する. 【施設内活動】輸血管理室業務の基準化:安全な輸血療法を保証するシステムか否かの再点検(製剤入庫時のチェック, 臨床へのコメント付記, 輸血後の適合性の確認等). 輸血検査担当者のレベルアップの為のTQC. 【臨床への支援】輸血の適応・判断・実施は臨床医の裁量であり, より安全で効果的な輸血療法をサポートするために, 認定技師は正しい知識と判断の基に適合血を選択する. 赤血球製剤のオーダー単位数については, データチェック後供給する. 血液製剤の選択や転用, D陰性血もコンサルトで有効活用する. 自己血輸血の推進とクリティカルパスに参画. 【医事課への支援】経済効率の高揚. 医事課伝票へ輸血量とIr-RC-MAP等の新医事コードの転記, FFP使用患者名通知. 【施設外活動】九州QC輸血部門解析委員, 長崎県技師会研究班班長, 認定技師目指しての研修会開催並びに次期リーダの育成, 離島医療圏のレベルアップと認定技師トライへの啓蒙→4団体協議会認定制へのメリット. 【おわりに】認定技師制度を実りあるものとして充実し展開させるのは, 認定技師の責務である. 制度を制定してよかったと言われるように, 日々自助努力すべきである.