岡山県赤十字血液センターにおけるPBSCTへの協力状況

岡山県赤十字血液センターでは, 平成8年7月より末梢血幹細胞(PBSC)の調製保管を技術協力として行っている. 現在までに, 依頼病院数は当初の2病院から6病院にまで増加し, 移植例も経験した. これまでの協力状況をまとめ, 併せて今後の課題と目標を報告する. 実施方法と協力状況:PBSCの採取を除き, 調製保管, 幹細胞数の測定, 保管製品の供給, 及び移植後のデータ管理を実施した. 保管は-80℃で行い, 幹細胞のCD34^+ 測定はProCOUNTを用い, コロニーアッセイはベリタス製培地を用いて行った. これまでの25ヵ月間に, 延べ患者数として29人(実人数:26人)に対し67回の調...

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Hauptverfasser: 冨田徳子, 山村一, 宮原正行, 土岐博信, 福田俊一, 竹内誠, 和田秀穂, 矢野朋文, 狩野孝之, 宮田明, 喜多嶋康一
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:岡山県赤十字血液センターでは, 平成8年7月より末梢血幹細胞(PBSC)の調製保管を技術協力として行っている. 現在までに, 依頼病院数は当初の2病院から6病院にまで増加し, 移植例も経験した. これまでの協力状況をまとめ, 併せて今後の課題と目標を報告する. 実施方法と協力状況:PBSCの採取を除き, 調製保管, 幹細胞数の測定, 保管製品の供給, 及び移植後のデータ管理を実施した. 保管は-80℃で行い, 幹細胞のCD34^+ 測定はProCOUNTを用い, コロニーアッセイはベリタス製培地を用いて行った. これまでの25ヵ月間に, 延べ患者数として29人(実人数:26人)に対し67回の調製保管を行い, 延べ21人(実人数:19人)に移植した. 疾患は, 造血器腫瘍が22/26例, 非造血器腫瘍が4/26例であった. 移植までの保存期間は平均60日(14~228日)であった. 移植後における白血球の回復(1,000/μl)には平均11日(8~16日)が必要であり, 移植後1ヵ月間に赤血球製剤が約5単位, 血小板製剤が約80単位輸血されていた. この他, 採取検体の幹細胞数の測定のみについての協力も2例(5回)行った. 考察:これまでに医療機関からの要望に応えられなかったことは, 主にPBSCの採取と採取時期を決定するためのCD34^+ 測定である. これらは今後の課題として取り組まなくてはならないが, 我々の当面の目標は, PBSCの調製保管等の技術協力をGMP基準に合わせることであると考えている. これにより, 医療機関からの信頼に応えられ, 血液センターが協力する意義もあると思われる.
ISSN:0546-1448