HPA-5a抗体を保有し血小板輸血不応を示した成人急性骨髄性白血病の1症例

血小板輸血不応(platelet transfusion refractoriness; PTR)の原因は, 免疫機序と非免疫機序の2つに分けて理解されている. 前者は, HLA抗体に起因する場合, 血小板特異抗原(human platelet antigens; HPA)に対する抗体に起因する場合, その両者が関与する場合あるいは赤血球表面抗原(ABO型)に対する抗体が関与する場合などがある. 後者は脾腫, DIC, 発熱, アムホテリシンBなど薬剤の関与および血栓性血小板減少性紫斑病などが知られている1). 病などが知られている1). HPAの1つであるHPA-5抗原は1988年にKief...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1999/02/01, Vol.45(1), pp.32-37
Hauptverfasser: 李, 悦子, 篠原, 紀美代, 渡邊, 博文, 廣瀬, 政雄, 北添, 健一, 福井, 美代子, 勝浦, 洋一, 谷上, 純子, 永尾, 暢夫, 黒田, 泰弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:血小板輸血不応(platelet transfusion refractoriness; PTR)の原因は, 免疫機序と非免疫機序の2つに分けて理解されている. 前者は, HLA抗体に起因する場合, 血小板特異抗原(human platelet antigens; HPA)に対する抗体に起因する場合, その両者が関与する場合あるいは赤血球表面抗原(ABO型)に対する抗体が関与する場合などがある. 後者は脾腫, DIC, 発熱, アムホテリシンBなど薬剤の関与および血栓性血小板減少性紫斑病などが知られている1). 病などが知られている1). HPAの1つであるHPA-5抗原は1988年にKiefelらによって新生児血小板減少性紫斑病(neonatal alloimmune thrombocytopenic purpura; NAITP)児の母血清中に発見された2). HPA-5抗原は血小板膜上のGPIa上に局在しているが, その抗原決定基はホモ接合体で2,000個と, HPA-1抗原の50,000個やHPA-4抗原の40,000個に比して明らかに少ない3). このためかHPA-5抗原系がPTRに関与したとする報告例は少なく, 本邦ではHPA-5b抗体を保有したMDS症例1例P, HPA-5a抗体を保有した再生不良性貧血の1例5)のみの報告しかなく, いずれの症例もHLA抗体との共存例であった. 今回我々はHLA抗体は共存せず, HPA-5a抗体のみを保有し, PTRを示した成人急性骨髄性白血病(AML)症例を経験したので報告する.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.45.32