血漿製剤中HIVのメチレンブルー光不活化, 並びにHIV感染細胞の除去

背景:血漿製剤のHIV不活化に於いては, 多数のリンパ球を含む為, cell-freeHIVと共に, HIV感染細胞を除去することも要求される. これまでBaxter社が開発したメチレンブルー(MB)光不活化システムによって, 製剤に添加したHIV-1_HTLV-IIIB を61og以上不活化し, 更に白血球除去フィルターによって, HIV-1感染細胞:MOLT-4/HIV-1_HTLV-IIIB を検出限界以下まで除去できることを, 明らかにしてきた. 今回, 実際の血漿製剤により近い系として, 一連のHIV-1_HTLV-IIIB の代わりに, 臨床分離株(Clinical Isolate...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1998, Vol.44 (6), p.732-732
Hauptverfasser: 大和田尚, 山田淑子, 阿部英樹, 池淵研二, 関口定美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景:血漿製剤のHIV不活化に於いては, 多数のリンパ球を含む為, cell-freeHIVと共に, HIV感染細胞を除去することも要求される. これまでBaxter社が開発したメチレンブルー(MB)光不活化システムによって, 製剤に添加したHIV-1_HTLV-IIIB を61og以上不活化し, 更に白血球除去フィルターによって, HIV-1感染細胞:MOLT-4/HIV-1_HTLV-IIIB を検出限界以下まで除去できることを, 明らかにしてきた. 今回, 実際の血漿製剤により近い系として, 一連のHIV-1_HTLV-IIIB の代わりに, 臨床分離株(Clinical Isolate:CI)HIV-1_CI と, これに感染した末梢血単核球(PBMC)を用いて, これらの効果の確認を行った. 結果及び考察:血漿製剤中のHIV-1_CI 感染PBMCをフィルターで濾過し, 濾過前後液をそれぞれ, 非感染PBMCと混合培養を行った. 1週間の長期培養によって濾過前は高濃度のウイルス抗原が検出されたにも関わらず, 濾過後では全く検出されなかった. このことから濾過によって, HIV-1_CI 感染PBMCは完全に除去されたと判断された. 現在, cell-freeHIV-1_CI のMBによる光不活化効果を検討中であるが, HIV-1_CI もMBによって不活化されれば, フィルターとMBの併用によって, 血漿製剤に起因するHIVの感染を予防できると思われる.
ISSN:0546-1448