温度障害による赤血球製剤の溶血について
目的:輸血用血液の品質障害の一つに赤血球製剤の溶血がある. 赤血球の溶血は主に温度障害において引き起こされる. そこで, 血液の取扱いにおいて起こり得る温度障害と, その溶血との関係を検討したので報告する. 方法:RC-MAP400を材料に, 以下の条件下で上清Hb濃度を3波長吸光分析法で測定した. 1)加温(37, 45, 50, 60℃, 10~60分), 2)冷却(FFPと接触保管), 3)凍結(-40℃, 10~120分). 結果:1)37℃, 45℃30分間加温では, 約2倍(25mg/dl)の上清Hb濃度の上昇にとどまったが, 50℃, 60℃加温では, 10分間加温でも50mg/...
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Zusammenfassung: | 目的:輸血用血液の品質障害の一つに赤血球製剤の溶血がある. 赤血球の溶血は主に温度障害において引き起こされる. そこで, 血液の取扱いにおいて起こり得る温度障害と, その溶血との関係を検討したので報告する. 方法:RC-MAP400を材料に, 以下の条件下で上清Hb濃度を3波長吸光分析法で測定した. 1)加温(37, 45, 50, 60℃, 10~60分), 2)冷却(FFPと接触保管), 3)凍結(-40℃, 10~120分). 結果:1)37℃, 45℃30分間加温では, 約2倍(25mg/dl)の上清Hb濃度の上昇にとどまったが, 50℃, 60℃加温では, 10分間加温でも50mg/dlを超え, 30分間加温では, それぞれ312, 11, 855mg/dlの強度溶血を認めた. 2)FFPとの接触では60分で約4倍(73mg/dl)の上清Hb濃度の上昇が認められた. 3)-40℃保存では, 10分保存で上清Hb濃度367mg/dlと強度の溶血が起こり, 30分間で2,468mg/dl, 120分間で17,385mg/dlとさらに溶血が進んだ. 考察:赤血球製剤の溶血は37℃加温等, 一般的な取扱いにおいても起こり, その溶血を外観的に判断することは困難である. 従って, 赤血球製剤の溶血を防止するためには, 適正な血液製剤の取扱いと保管管理が重要と考えられた. |
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ISSN: | 0546-1448 |