γ-グロブリン大量療法後に溶血性反応を認めたITPの1症例
今回我々は, γ-gl大量療法後に溶血性貧血を呈したITPの症例を経験したので報告する. 症例は45歳, 男性, A型. 吐血時, 脾摘術時の2度にわたり行ったγ-gl大量療法後, 溶血性貧血を認め, その原因をγ-gl製剤中のIgGクラス抗A抗体と推察した. 根拠として解離液より抗A抗体が検出され, その消失に伴い貧血が改善されたことが挙げられた. 今回の輸血後, 抗E抗体も検出されたが, 初回輸血であり, 解離液の特異性からこれによる遅発性溶血は否定できると考えられた. しかし, 抗A抗体との相乗効果が存在した可能性は否定できない. 本症例は貧血の進行が緩慢で長期に及んだが, それは, 脾...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 今回我々は, γ-gl大量療法後に溶血性貧血を呈したITPの症例を経験したので報告する. 症例は45歳, 男性, A型. 吐血時, 脾摘術時の2度にわたり行ったγ-gl大量療法後, 溶血性貧血を認め, その原因をγ-gl製剤中のIgGクラス抗A抗体と推察した. 根拠として解離液より抗A抗体が検出され, その消失に伴い貧血が改善されたことが挙げられた. 今回の輸血後, 抗E抗体も検出されたが, 初回輸血であり, 解離液の特異性からこれによる遅発性溶血は否定できると考えられた. しかし, 抗A抗体との相乗効果が存在した可能性は否定できない. 本症例は貧血の進行が緩慢で長期に及んだが, それは, 脾摘による感作血球の血中クリアランスの遷延によるものと考えた. 最後に, 本症例のような副作用は止むを得ない部分もあるが, 患者への影響を考慮し, Informed consentを含めた対応と注意が必要であると考えられた. |
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ISSN: | 0546-1448 |