輸血医療に影響を及ぼす市井感染の増加
古来アフリカの黒色人種にみられるピアスや, 近年西洋の白色人種に流行をみた入れ墨はいまや日本の若年層のファッションとなった. 衣食住のファッションとは異なり, 身体装飾は性行動と同様に血液が介する感染経路となる. 近年の習俗による浸淫増を予測し調査した. 成人における感染では一過性感染となり, 性行為では双方向に感染するHBウイルスと, 成人における感染でも持続感染となり, 性行為では男性から女性に感染するHTLV-1の二つを取りあげて, 年次別, 性別, 年齢別の推移を観察した. HBs抗原は1975年から1996年までの延べ1,605,650人, HTLV-1抗体は1986年から1996年...
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Zusammenfassung: | 古来アフリカの黒色人種にみられるピアスや, 近年西洋の白色人種に流行をみた入れ墨はいまや日本の若年層のファッションとなった. 衣食住のファッションとは異なり, 身体装飾は性行動と同様に血液が介する感染経路となる. 近年の習俗による浸淫増を予測し調査した. 成人における感染では一過性感染となり, 性行為では双方向に感染するHBウイルスと, 成人における感染でも持続感染となり, 性行為では男性から女性に感染するHTLV-1の二つを取りあげて, 年次別, 性別, 年齢別の推移を観察した. HBs抗原は1975年から1996年までの延べ1,605,650人, HTLV-1抗体は1986年から1996年までの延べ914,265人の献血者を調査対象とした. 宮崎県では減少の一途を辿ってきた献血者のHBs抗原陽性率とHTLV-1抗体陽性率が共に2年前から上昇しており, 若年層の著しい上昇によるものと判明した. 原因は浸染度後退現象と市井感染の増加によるものと思われる. 経医感染は安全な血液の供給と医療環境の改善によって, 母子感染はワクチンや人工栄養での保育によって, その予防対策は効を奏している. しかし, 市井感染については衛生教育, 道徳, 儒教の思想などの予防効果は期待薄である. 市井感染増加が輸血医療に及ぼす影響として, 一つはウインドウ・ピリオドによる感染の危険性の増加があり, もう一つは市井感染後のウインドウ・ピリオドに, たまたま輸血がなされていると, 輸血による感染と誤診されやすい. 献血制度を支える年齢層に市井感染増加傾向が見られたので警鐘を鳴らしたい. |
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ISSN: | 0546-1448 |